研究課題/領域番号 |
20K01261
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
姫嶋 瑞穂 北海道医療大学, 薬学部, 講師 (60709252)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 国民優生法 |
研究実績の概要 |
断種法をはじめとする優生政策に本格的に着手する体制を整えるうえで厚生省の存在は重要である。厚生省を設置し、さらに優生政策を専門的に担当する初めての国家的行政機関として予防局に設置された優生課の設立の経緯についてナチスドイツの保健衛生機構・保健政策の影響に着目して戦前の優生政策策定の基盤を検討している。また、断種法論争に対する日本医師会の反応、断種法推進派の医学者・医系議員を中心とした議会の反応、断種法推進派と真っ向から対立した精神科医と国体論者の批判について分析することにより、厚生省における優生政策の位置づけの変容について解明することを試みている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の遂行には、国立国会図書館、東京大学附属図書館、早稲田大学図書館、矯正図書館などでの資料調査ならびに文献複写が必須となる。しかしながら、2年前からの新型コロナウイルスの蔓延による緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置の発令により、図書館の入場が抽選制になったり学外者の受け入れを中止している。近隣では、北海道大学附属図書館あるがここも学外者の利用を停止しているため、実地調査は限定的である。郵送での対応にも限界があり、当初の予定より遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
1933年の「遺伝病子孫防止法」(ナチス断種法)から「国民優生法」へと至る過程の草案や法案の変化に注目し、ドイツと日本の断種法の構え、ひいては優生政策の構えの決定的な違いについて抽出する。また、草案段階から議会提出された法案に至る過程、さらに法案が修正され法律が成立する過程で、法文がいかに変化したかを吟味することによって、当時の日本において断種法を実現するために何が必要とされたのかを検証する。さらに、国民優生法の断種法としての限界性と戦時期の断種政策の低迷にも注目し、断種政策独自の展開としては不充分に終わったその要因を具体的運用の中から考察することによって、優生政策を強化しえた戦後の条件を浮き彫りにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
緊急事態宣言の発令により実地調査が1回しかできなかった。次年度に繰り越して実地調査の回数を増やす予定である。
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