研究実績の概要 |
本研究は、課税権に関する個別的な諸問題において共通に観察され、その議論のあり方を現在に至るまで規定してきたと考えられる課税権と主権論の連関に係る論理の構造について、英仏独の比較法史研究により解明することを主たる目的として、令和2年度は、「国際的な課税権の配分」及び「租税国家の形成過程」に関する実証研究に着手し、令和3年度は、租税国家における統治の技法として、租税情報の保護及び利用に関する比較法史研究に着手して、その成果を公表した。また、令和4年度は、この間継続して取り組んできた、課税権と主権論の連関に関する独仏の最重要文献(Klaus Vogel, Der raumliche Anwendungsbereich der Verwaltungsrechtsnorm, Frankfurt a. M. 1965; Andreas Kallergis, La competence fiscal, Dalloz 2018)を綿密に突合する作業を進展させ、その成果は令和5年度に公表される運びである。
|