研究課題
基盤研究(C)
本研究は、課税権に関する個別的な問題において共通に観察され、その議論のあり方を現在に至るまで規定してきたと考えられる課税権と主権という概念の関係について、特にフランスとドイツにおいて課税管轄権の領域的排他性に関する対照的な議論をもたらした理論史的な過程とその前提を解明するための基礎的な作業を試みたものである。
租税法
本研究は、「国際的な課税権の配分」及び「租税国家の形成過程」に関する比較法史的な研究の前提作業として、課税権と主権という国法学の基本概念に関するフランスとドイツにおける新旧の代表的な議論の分析を通じて、両国における対照的な法的態度が生まれた原因を解明するとともに、その理論的な意義の再評価を試みた。これにより、租税法学を一般公法学との連関で体系化を図るための礎石が築けたと考えられる。