研究課題/領域番号 |
20K01270
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
森元 拓 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (50374179)
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研究分担者 |
石塚 迅 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (00434233)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 国体 / 立憲主義 / 上杉慎吉 / 法の継受 |
研究実績の概要 |
昨年度は、穂積八束の法理論の検討をとおして、国体概念におけるポジティブな意味としての「国体なるもの」(「接着剤としての国体」:法の継受における理念型としての西洋法と在来法との接着剤としての国体の役割・機能)と、ネガティブな意味としての「国体なるもの」(「防御壁としての国体」:理念型としての西洋法から在来法を護る防御壁としての国体の役割・機能)について検討を行った。 これをふまえ、本年度は、八束の理論的かつ精神的後継者であった上杉慎吉における法理論の検討を行なった。ただし、本年度も昨年に引き続き、新型感染症による研究交流の停滞及び教務等々の負担の増大により、最終的に形にすることができなかった。本年度の目標としては、上杉の法理論に関する検討を進め、これをまとめて単著として出版することであった。上杉の法理論の検討を粛々と進め、単著の構想も構築もほぼ完成した。しかし、これを実体化することが叶わなかった。執筆は進めており、7-8割程度までは進捗している状況である。極めて残念であるが、完成及び出版は、次年度以降に延期せざるを得ない状況である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上述のとおり、昨年度は、上杉の法理論について論考をまとめ、単著として出版することを目標としていたが、叶わなかった。2016年の自らの論文を基礎としつつも、基本的には全編書き下ろしの単著を考えていたため、昨年度、業績として示せるものは残念ながら存在しない。 この意味では、進捗状況は「遅れている」ともいえるが、先述のとおり、7-8割程度までは進めており、完成までは「あと一歩」であると考えている。このため、「やや遅れている」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、昨年度完成できなかった、上杉慎吉の単著の完成及び出版を目指す。 更に、これに加え、本年度は、上杉の法理論の検討に加えて、美濃部達吉の法理論との比較、更には明治末年の天皇機関説論争の法思想史的意義について検討することとしたい。 なお、本年度の日本法哲学会総会におけるWSの報告を予定している。本年度の研究は、このWS報告を一つの目途として、先述べた美濃部達吉・上杉慎吉の法理論の比較及び天皇機関説論争の法思想史的意義について検討を進めていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症の影響により、研究交流等を実施することができなかった。このため、旅費を支出することができず、次年度へ繰り越すこととなった。 本年度は、この分を取り戻すべく、積極的に研究交流等を行ない、研究を進めることとしたい。
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