研究課題/領域番号 |
20K01275
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
岩崎 政明 明治大学, 法務研究科, 専任教授 (20183014)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 税務コーポレートガバナンス / コーポレートガバナンス / タックスコンプライアンス / 租税回避スキーム / 租税情報の開示 / 租税行政手続 / 行政手続 |
研究実績の概要 |
本研究は、企業におけるコーポレートガバナンスとタックスコンプライアンスとを結びつける新しい租税行政の取組である「税務コーポレートガバナンスの法的根拠となる制度」を日本においてどのように仕組むかを考えるため、英米を始めとする諸外国における同種の制度の理論とその執行・運用の実際を調査研究するものである。 令和3年(2021年)度においては、英国又は米国における「税務コーポレートガバナンスに関する取組の調査研究」を行う予定であった。それは、英国も米国も、税務コーポレートガバナンスに関する制度を最も迅速かつ強力に構築してきているからであって、そこで、その制度の運用の実際を、現地に出張して、インタビューや新たな文献資料を収集することにより調査し、それぞれの国に固有の取組の実効性を確認することが有益であると考えたからであった。 海外出張の計画は、当初、令和2年(2020年)度からたてており、英国、米国の順に調査に赴く予定であった。ところが、新型コロナウィルスの感染が蔓延したことにより、両国とも出入国が制限され、又、わが国の出入国も停止される状況が続いたため、結局、令和2年度及び令和3年度における出張調査は順延せざるを得ないと判断した。 そこで、令和2年度及び令和3年度においては、文献調査を重視することとしたが、両国ともコロナウィルスの影響で専門書の新規出版が停滞しており、税務コーポレートガバナンスに直結した文献は入手しがたい状況が続いている。令和3年度においても、インターネット等を活用してデータ化された情報の収集を中心に行い、次年度以降に予定している出張調査の準備作業を行うこととした。両国とも、議会や行政庁の活動に関する公的資料の多くはインターネットにより公表されているので、その収集と翻訳を行い、最新の状況を把握することに努めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予定していた英国及び米国への出張調査やインタビューは、新型コロナウィルスの感染状況の悪化のため、2年連続して実施することができなかったことにある。令和4年度においては、両国とも入国を緩和してきているので、是非、海外調査を行いたいと希望している(ただし、ウクライナ・ロシアの戦争状況が発生しているため、未確定である。)。
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今後の研究の推進方策 |
次年度においては、これまで実現していない英国又は米国における出張調査と現地インタビューを是非行いたいと考えている。2年間にわたり、インターネット等を活用して、それぞれの国の関係法令、議会資料、通達等を収集し、翻訳作業を進めてきているので、次年度において、出張調査とインタビューができれば、法令通達の実効性や執行状況を確認することができると考えている。 なお、出張対象国については、新型コロナウィルスの感染状況、ウクライナ・ロシアの戦況等を総合的に勘案して、柔軟に対応していこうと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた英国または米国への出張調査が、新型コロナウィルス感染による出入国規制により困難となったため、次年度使用額が生じた。次年度において、出入国規制が緩和されれば、海外出張調査を行うことにより助成金を使用する計画である。
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