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2023 年度 実施状況報告書

反致論の継続の背景と近時の反致へのニーズに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K01308
研究機関南山大学

研究代表者

岩本 学  南山大学, 法学部, 教授 (70552511)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード反致
研究実績の概要

過年度に続き,各国法及び超国家的法規の反致規定の情報収集を行った。そして今年度は,米国につき近時の反致論の展開,特に1990年のKramer論文の登場のインパクトを探るほか,2005年に反致を認めた判例として認識されているNeilson判決を中心にオーストラリアにおける反致論の展開を調査した。なお,その過程で,反致についての検証方法として数学的手法やゲーム理論を用いた論考を精読し,新たな分析の視座について示唆を得た。また国内法関係では,ここ数年反致が関連する裁判例が継続的に公表されていることに鑑み,これらの裁判をベースに,通則法における選択的連結と反致の問題,外国国際私法規定が一義的に日本法を指定しない場合の反致の成否,隠れた反致,について,通則法の解釈論の検討を行った。
成果報告としては,昨年の実績概要で言及した国際私法学会での報告原稿をベースとした論文を公表した。研究報告としては,単純反致同様に法廷地法の適用を導く手法を用いた裁判例について,「外国人と日本人の離婚裁判と年金分割の請求」(渉外判例研究会,2023年10月)との報告を行い,また家事事件において反致が生じる場合の前提問題の検討の一環として研究報告「家事事件手続法3条の8と子の国外転居」(北陸国際関係私法研究会,2024年2月)も行った。これらの報告をベースとした原稿は前者については,既にジュリスト誌に公表されており,後者については今年度内での執筆・公表を予定している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

Covid-19の影響で昨年度まで研究計画に遅れが生じていたこと及び所属大学の変更が年度途中にあったことに伴う研究環境の再構築の必要性から,最終的には基金課題の延長申請を行ったため。

今後の研究の推進方策

本来4年目に予定していたEU国際私法の展開について,各EU規則の制定過程及びEU規則化されていないが議論がなされた事項を検討の後,本研究の目的に沿って順次成果報告を進める。

次年度使用額が生じた理由

Covid-19の影響により過年度において旅費の執行が困難となり,出張予定が後ろ倒しとなったことが主たる要因である。次年度は延長年度となるが,本来最終年度に予定していた研究計画の実現のため,当該年度で支出予定であった事項に対し,適切な執行を行う。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 外国人と日本人の離婚裁判と年金分割2024

    • 著者名/発表者名
      岩本学
    • 雑誌名

      ジュリスト

      巻: 1593 ページ: 119-122

  • [雑誌論文] 国際代理懐胎と親子関係の承認2023

    • 著者名/発表者名
      岩本学
    • 雑誌名

      国際私法年報

      巻: 25 ページ: 101-129

    • 査読あり
  • [学会発表] 家事事件手続法3条の8と子の国外転居2024

    • 著者名/発表者名
      岩本学
    • 学会等名
      北陸国際関係私法研究会
  • [学会発表] EU法及びドイツ法における国際的な倒産開始申立ての競合2023

    • 著者名/発表者名
      岩本学
    • 学会等名
      国際取引法学会中間報告会(令和5年度)
  • [学会発表] 外国人と日本人の離婚裁判と年金分割2023

    • 著者名/発表者名
      岩本学
    • 学会等名
      渉外判例研究会

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公開日: 2024-12-25  

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