研究課題/領域番号 |
20K01317
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研究機関 | 広島市立大学 |
研究代表者 |
佐藤 哲夫 広島市立大学, 付置研究所, 特任教授 (10170763)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 非国家アクター / 国際組織 / 民間団体 / 多国籍企業 / 反政府武装集団 / 犯罪集団 / NGO |
研究実績の概要 |
本研究は、普遍的国際組織・条約レジームやNGOなどの非国家アクターを取り上げて、それらが国際公益機関としての権限や機能を担い、それらの活動が「統治的規制的な権限・機能の行使」に踏み込む場合に、当該活動を規律する(すべき)手続的および実体的な原則と規則およびそれらの実施の仕組みを解明することを目的とする。 第1の課題は国際組織の「公的」制度・組織への変革の動きを対象としており、研究代表者は、それらの基礎的な分析を済ませているが、新たな実行や理論的検討の進展が速いために、最近の新たな実行と理論的検討を押さえることが、本研究の第1の課題である。当初はこの第1の課題を2020年度と2021年度に検討する予定であった。これは、研究代表者が現在の本務校に移動して3年目にあたり教育と行政の仕事の多忙を考慮したものであった。 しかしながら、重要な記念論文集への原稿依頼を受けたこともあり、様々な要素を総合考慮して、2022年度に検討予定であった第2の課題の検討を当該原稿の主題として2020年度の検討対象とすることに変更した。具体的には、国際法秩序における非国家アクターの地位と活動に対する法的規制の動きである。 この点を総括することが本研究の第2の課題であり、国際法協会(ILA)の非国家アクターに関する委員会が8年間におよぶ活動成果として2016年に採択した最終報告書を取り上げた。具体的には、当該報告書に示されている実証的な分析や考察の内容を紹介するとともに、多少の評価を加えた。非国家アクターの位置づけに関する今後の研究にとっては、まず、何が問題となるのか、どのような争点があるのか、どのような取り組みが求められるのか、国際社会の現状はどのような段階なのかなど、基本的な問題と争点の発見と現状の確認が大切であり、委員会の報告書はこの点で有益なものと評価できるからである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「研究実績の概要」に記したように、当初2022年度に検討予定であった第2の課題を、依頼原稿の主題として2020年度の検討対象とすることに変更した。第2の課題である国際法秩序における非国家アクターの地位と活動に対する法的規制については、国際法協会(ILA)の非国家アクターに関する委員会が8年間におよぶ活動成果として2016年に採択した最終報告書を出発点としながらも、法源、義務の実施、人権義務、紛争解決、法的責任、アカウンタビリティなどの切り口からも分析を加えることが求められる。 当該原稿においては、当該報告書に示されている実証的な分析や考察の内容を紹介するとともに、多少の評価を加えるにとどまっており、今後の継続的な検討・分析が必要であることは言うまでもない。 他方で、2020年度と2021年度に検討する予定であった第1の課題については、研究代表者は、それらの基礎的な分析を済ませているが、新たな実行や理論的検討の分析には未だ十分には取りかかれていない。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度においては、国際組織の「公的」制度・組織への変革の動きを対象とした第1の課題に取り組むことに重点を置く予定である。具体的には、新たな実行として、国内裁判所・EU裁判所・欧州人権裁判所などの判例と国際組織の動きなど、理論的検討として、国際法委員会(ILC)の活動やグローバル行政法などの新たな動きなどについて、最近の変革の動きを押さえることである。 もっとも、2021年度においてもコロナ禍の制約の下で、研究代表者が置かれている現在の本務校における教育と行政の仕事の多忙を考慮すれば、研究の進捗も少しずつとならざるを得ないであろう。 他方で、2020年度の検討対象とすることによって、第2の課題である国際法秩序における非国家アクターの地位と活動に対する法的規制については、不十分ながらも基礎固めをすることができたと考えるが、そこで得ることができた知見は、2021年度において取り組む上記の第1の課題の検討においても内在的に役立つのではないかと期待している。
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次年度使用額が生じた理由 |
未使用額が62円であり、単独では適切な支出が困難であった。 次年度の物品費と合わせて、本来の目的のための適切な支出に充てる。
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