日本における非雇用型就業者の集団交渉制度のあり方について、労働法と経済法の両面から分析を行った。ドイツでは、労働者でなく労働者類似の者にも当たらない事業者の協約締結は原則競争法違反となるが、2020年に労働者の射程を広げる判決が出されたことを受けて、集団法への影響を詳細に検討した。またEUレベルでは、事業者の集団交渉が競争法違反とならない場合がガイドラインで定められ、事業者の協約締結が容易化される等の新たな動きを追った。これらの保護対象者をめぐる議論を参考に、日本でも労働者概念の見直しの要否や、事業者のための団交制度の具体的内容(労働者と必ずしも同一である必要はない)の議論を深める必要がある。
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