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2022 年度 実施状況報告書

多様化する働き方に対応する被用者年金保険法の法理論的構造

研究課題

研究課題/領域番号 20K01332
研究機関九州大学

研究代表者

丸谷 浩介  九州大学, 法学研究院, 教授 (10310020)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード働き方 / 支援 / 年金
研究実績の概要

2022年度は働き方の変化を中心に,文献調査,英国現地調査を行うことができた。そのうち年金の変化についてまでは言及することができなかったが,働き方の変化について「雇用保険の国庫負担」 季刊労働法278号2-15頁,「家計相談支援事業における生命保険を活用した生活困窮者への法的介入」生命保険論集220号101-131頁,「労働自立支援法の現代的課題-生活困窮者自立支援法を中心に」・西田和弘・石田道彦・平部康子・丸谷浩介編『新たな時代の社会保障法』(法律文化社)81-97頁,「犯罪をした障害者を孤立させないために――『自立』から『依存』へ」宮本太郎,阿部彩,千田航,野口定久,丸谷浩介,山口二郎,山崎望,川島佑介,本田由紀,須田木綿子『自助社会を終わらせる-新たな社会的包摂のための提言』(岩波書店)117-144頁を執筆した。
これら成果を通して確認することが出来たのは,(1)働き方の変化は取引市場の変化に対応するべく労働市場の変化が余儀なくされたこと,(2)働き方の変化が労働者にもたらしたのは自己実現あるいは社会的有用性を感じうるための働き方を選択出来る余地が生じていること,(3)働き方の変化により新たな社会的排除を生む可能性が生じていること,(4)人間の尊厳を守り得る働き方の選択とその継続は社会的包摂ないし社会的有用性を感じ得るために重要ではあるけれども,それには伴走型支援が必要であること,(5)現行法ではいくつかの支援体制が法定化されているけれとも,法的メカニズムとしてそれが権利保障されているとはいいがたいこと,(6)これに対し日本のみならず海外に目を向けても,年金制度がこのような社会的包摂観念を軸にした制度構築とされていないことから,(7)老齢時ないし障害時の所得保障として再考の余地があることが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コロナ禍での現地調査不足により,文献調査が進んでいないことがある。しかし総体的には順調である。

今後の研究の推進方策

文献調査を進めるともに,主として働き方と年金改革についての検討を進めることとなる。

次年度使用額が生じた理由

昨年度までのコロナ禍により計画的出張ができなかったため。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (7件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 民法上の配偶者が中小企業退職金共済法14条1項1号及び企業年金等規約にいう配偶者に当たらない場合2023

    • 著者名/発表者名
      丸谷浩介
    • 雑誌名

      判例評論

      巻: 767 ページ: 16-19

  • [雑誌論文] 雇用保険の国庫負担2022

    • 著者名/発表者名
      丸谷浩介
    • 雑誌名

      季刊労働法

      巻: 278 ページ: 2,15

  • [雑誌論文] 家計相談支援事業における生命保険を活用した生活困窮者への法的介入2022

    • 著者名/発表者名
      丸谷浩介
    • 雑誌名

      生命保険論集

      巻: 220 ページ: 101,131

  • [雑誌論文] 書評:林健太郎『所得保障法制成立史論―イギリスにおける「生活保障システム」の形成と法の役割―』(信山社,2022)2022

    • 著者名/発表者名
      丸谷浩介
    • 雑誌名

      社会保障法

      巻: 38 ページ: 201,203

  • [雑誌論文] 最低賃金はどのように決まっているのか2022

    • 著者名/発表者名
      丸谷浩介
    • 雑誌名

      社会保険労務士ふくおか

      巻: 165 ページ: 244,247

  • [雑誌論文] 団体交渉応諾命令と労働委員会の裁量―山形県・県労委(国立大学法人山形大学)事件・最判令和4年3月18日2022

    • 著者名/発表者名
      丸谷浩介
    • 雑誌名

      法律時報

      巻: 94.11 ページ: 148,151

  • [雑誌論文] 団体交渉における資料提示:不当労働行為救済命令取消請求事件・名古屋地判令3・8・30中労委DB2022

    • 著者名/発表者名
      丸谷浩介
    • 雑誌名

      やまぐちの労働

      巻: 671 ページ: 8,9

  • [図書] 新たな時代の社会保障法2022

    • 著者名/発表者名
      山田 晋、西田 和弘、石田 道彦、平部 康子、丸谷 浩介、松本 勝明、阿部 和光、石橋 敏郎、原田 啓一郎、木村 茂喜、柴田 滋、伊奈川 秀和、増田 雅暢、笠木 映里、髙倉 統一、星野 秀治、福島 正剛、廣田 久美子
    • 総ページ数
      314
    • 出版者
      法律文化社
    • ISBN
      9784589042255
  • [図書] 自助社会を終わらせるー新たな社会的包摂のための提言2022

    • 著者名/発表者名
      宮本太郎,阿部彩,千田航,野口定久,丸谷浩介,山口二郎,山崎望,川島佑介,本田由紀,須田木綿子
    • 総ページ数
      334
    • 出版者
      岩波書店
    • ISBN
      9784000615334

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公開日: 2023-12-25  

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