研究課題
基盤研究(C)
本研究は、わが国の現行刑法典に存在している併合罪加重規定について、ドイツ、スイス、オーストリアとの比較法研究を基礎として、当該規定が理論的に正当化し得るかを批判的に検証するという見地から、当該規定が孕む問題点を抉り出し、併合罪へのあるべき対応策を提示することを目的とするものである。本研究は、研究期間を通して、わが国の併合罪加重規定が孕む問題性を検証し、その一部を論文として公表した。
刑法学
本研究は、刑法学における責任論と刑罰論の観点から、ドイツ語圏刑法との比較法的手法を用いながら、併合罪加重規定の解釈と運用の実態を明らかにすることによって、併合罪加重規定の合理性を検証するものであり、この点に学術的意義が認められる。そして、併合罪加重規定の解釈と運用の問題点を明らかにすることによって、併合罪へのあるべき対応策を提示することを目指したものであり、この点に社会的意義が看取される。