研究課題
基盤研究(C)
AIによる相場の操縦について、まず、相場操縦の類型を、①取引型相場操縦と②契約型相場操縦とに分類した。①取引型相場操縦とは、取引により相場操縦を行い、取引のみから利益を得る類型である。他方、②契約型相場操縦とは、取引により相場操縦を行うが、契約から利益を得る類型である。その後、各類型について、法令上の要件に該当する事実を分析した。AIの場合、AI自体に主観的認識を観念することはできない。そのため、各類型における特徴を取り上げ、行為からAI利用者の主観的要素を推認できることを明らかにした。
金融商品取引法
金融商品取引法が法定する相場操縦は、行為者の主観的要件が適法行為と違法行為を峻別するメルクマールとなっている。そのため、機械であるAIを利用した相場操縦を認定することは、極めて困難である。そこで、AIによる相場操縦行為の特徴を捉えることにより、法令要件に該当する要件事実を明らかにして、行為者の主観的要件の充足を推認する方法を明らかにした。