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2020 年度 実施状況報告書

成年後見制度における家庭裁判所の役割

研究課題

研究課題/領域番号 20K01392
研究機関金沢大学

研究代表者

合田 篤子  金沢大学, 法学系, 教授 (50361241)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード成年後見 / ドイツ / 家庭裁判所
研究実績の概要

本研究の目的は、成年後見人の身上監護(保護)に関する職務範囲を探ると共に、後見制度の利用者がメリットを実感できる制度の実現に向けて、家庭裁判所による許可制度の発展可能性についても検討を行うことにある。詳言するならば、後見人の職務範囲を超えるといわれる、いわゆる医療同意や施設収容の可否を判断する場面において、後見人に代わって家庭裁判所が許可を付与するか否かを判断するという「許可制度」の意義を探ることが本研究の目的である。現行の後見制度において、家庭裁判所は後見人の選任機関、監督機関としてすでに重要な役割を果たしているが、本研究では、家庭裁判所が後見人の職務を補完する機関としての可能性を探ることにもなる。
ドイツでは、未成年後見法及び世話法に関する法改正が進められていたところ、2020年9月25日に「未成年後見法及び世話法改正法草案」(Gesetz zur Reform des Vormundschafts- und Betreuungsrechts)が提出され、2021年3月26日に連邦参議院が法案に賛成し、2023年1月1日施行予定となった。
当初、令和2年度はドイツ成年後見法改正の動向について分析を進める予定であったが、改正法案に対して示された学者や各種団体からの意見が2020年6月から10月にかけて断続的にドイツ司法省HPに掲載された上、多数(約60件)に上ること等から、十分整理した上、業績として公表することができなかった。
しかしながら、ドイツの成年後見法や未成年後見法の改正法の内容やその意義を検討することは我が国の今後の後見制度の在り方を考えていく上で有意義であり、来年度以降、引き続き、検討を行っていく。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

「研究実績の概要」にも一部記載したが、2020年9月25日にドイツの「未成年後見法及び世話法改正法草案」(Gesetz zur Reform des Vormundschafts- und Betreuungsrechts)が提出され、2021年3月26日に連邦参議院が法案に賛成し、2023年1月1日施行予定となった。また、政府草案に対する意見書も相当数のものが6月から10月にかけて断続的に公表されており、令和2年度中に十分整理できていない状況であり、当初計画よりやや遅れている状況にある。

今後の研究の推進方策

令和3年度はドイツの世話法改正法(未成年後見法も含む)の内容や改正理由等を確認し、学説からの評価等も含めた分析を文献研究を中心に行う。それを踏まえ、わが国で令和3年度中に閣議決定予定とされている「成年後見制度利用促進基本計画」に関する「次期基本計画」の変更案について3つのワーキンググループが進めている検討状況についても併せて検討を行う。
特にドイツ世話法改正法では、障がい者権利条約の基準により適合させるように世話人の職務についてより明確に定め、被世話人の自己決定をいっそう尊重する方向で改正が進められたことが参考になると思われる(たとえば、被世話人が、世話手続きの経過に関する情報をより得られるようになる等)。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルスの影響でヒアリング及び研究会への出張が実施できず、研究計画を変更し次年度に研究計画を延期したため、次年度使用額が生じた。新型コロナウイルスの感染状況をみつつ、次年度に出張等を実施予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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