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2023 年度 実施状況報告書

補助参加の利益の判断基準としての参加的効力に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K01398
研究機関大阪公立大学

研究代表者

鶴田 滋  大阪公立大学, 大学院法学研究科, 教授 (90412569)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード補助参加 / 独立当事者参加
研究実績の概要

2023年度は、前年度に引き続き、補助参加の利益、補助参加人の訴訟上の地位、および、参加的効力に関する日独の最新文献を検討する作業を行った。この作業により。これらの最新文献を含めた、これまでの先行研究において検討されていない点を明確にすることができた。具体的には、日本の民事訴訟法に補助参加制度の沿革や、日本民事訴訟法制定過程において参照されたと推測可能なオーストリア民事訴訟法における補助参加制度については、未だ十分に紹介されていない部分があることを確認した。
それと並行して、補助参加制度と隣接する独立当事者参加の要件、および、参加人の訴訟上の地位に関する研究を行った。具体的には、「独立当事者参加における敗訴者の一人による上訴」および「独立当事者参加訴訟における二当事者間の和解の可能性」という二つの論考を公表した。これらの二つの論考における研究を通じて、独立当事者参加は、必要的共同訴訟の要件(合一確定の必要性)を充たしていないケースにおいても独立当事者参加の要件が充たされるにもかかわらず、当事者参加をした者の訴訟上の地位は、合一確定の必要性のために、必要的共同訴訟人と同等の強い地位が得られるという特殊な制度であることを明らかにした。このことと、2022年度までに行った共同訴訟的補助参加の制度趣旨の解明を通じて、独立当事者参加と共同訴訟的補助参加の制度と、補助参加の制度との関係を明らかにできた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2023年度も勤務校の法学研究科長を務めたことから、十分な研究時間を確保できなかったため。

今後の研究の推進方策

これまでの研究成果を基に、補助参加制度の存在意義を解明し、このことから、補助参加の利益、補助参加人の訴訟上の地位、および、参加的効力の相互関係を明らかにするという、研究計画当初の目標を達成すべく研究を進める予定である。その際、手がかりとなるのは、現在のところ、日本の民事訴訟法に補助参加制度の沿革の再確認や、ドイツ法圏にありながら、ドイツ法やスイス法とは異なる規律をもつオーストリア民事訴訟法における補助参加制度の解明にあると考えるので、これらの事項についての研究を進める予定である。

次年度使用額が生じた理由

2023年度も勤務校の法学研究科長を務めたため、研究に時間を割けなかったため、わずかであるが未使用額が生じた。未使用の研究費は2024年度に文献収集のために使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 独立当事者参加における敗訴者の一人による上訴2023

    • 著者名/発表者名
      鶴田滋
    • 雑誌名

      別冊jurist 民事訴訟法判例百選 第6版

      巻: 59-4 ページ: 210-211

  • [雑誌論文] 独立当事者参加訴訟における二当事者間の和解の可能性2023

    • 著者名/発表者名
      鶴田滋
    • 雑誌名

      法学教室

      巻: 518 ページ: 37-43

URL: 

公開日: 2024-12-25  

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