研究課題
基盤研究(C)
非婚の複合家族にみられるように、「親子らしい」関係に対する法的な権利義務関係について、フランス法におけるparentalite(最後のeには、アクサンテギュが付く。)概念を分析することにより検討した。この概念は、直接には法律上の概念ではなく、多義的であるが、本研究では、特に、民法上の概念とどのように異なるのかという観点から分析をおこなった。民法上の親権とは区別する形で、親としての職能・役割や、事実的な関係に着目する点に特徴がみられた。
民法
従来、parentalite概念を総合的に分析した研究はみられない。本研究の第一の意義は、多義的なこの概念の一端を明らかにした点に認められる。また、従来の複合家族に関する研究は、離婚後の再婚家庭のように、主として、婚姻によって規律される関係を想定した研究であった。本研究は、非婚の複合家族に着目する点に新規性があり、ここに第二の意義が認められる。このことは、学術的な意義にとどまらず、カップルや家族の価値観、家庭の多様化が認められる現代において、社会的な意義を有するものということができる。