研究課題
基盤研究(C)
著名な標識に関して、地域団体商標をめぐる使用団体間の問題、江戸時代以前から続く商標の表示の信頼性の問題、地理的表示の問題について、日本国内の江戸時代から続く老舗の表示と、新たにできた地理的表示の対象の齟齬の問題、ハラールマークという公的なマークを商標制度で保護すべきかという問題について、期間中の研究成果として10本の論文を公表した。また、これらの研究から、著名商標の準公共財としての役割に気づき、これを新たな研究とする着想を得た。
新領域法学
著名標識をめぐる種々の制度間における問題を比較研究することで、著名商標が単に独占的な私権としてのみ存在するのではなく、広く需要者の指針となる準公共財的な役割を果たしていることを明らかにした。これにより、準公共財的な役割を果たす法的対象の規律が様々な制度を横断し、どのようにあるべきか、という実務に直結する課題を発見することにつながった。なお、この新しい課題への取り組みは、2024年度からの科研費(基盤研究(C)において継続する。