研究課題/領域番号 |
20K01425
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
宮下 紘 中央大学, 総合政策学部, 准教授 (80506519)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 憲法 / プライバシー権 / 個人情報保護 / 表現の自由 / GDPR |
研究実績の概要 |
2020年度は主に文献等の読解と論文執筆を行った。忘れられる権利をめぐる諸外国における新たな判例を整理し,判例評釈等を読み進めた。比較法考察として,特にEUにおける忘れられる権利の射程をめぐり,域外適用の意味について関連する論考の考察を進めた。また,忘れられる権利に関連して,EU司法裁判所における判例とドイツ連邦憲法裁判所における判例との比較考察を行い,個人データ保護の基本権としての性格について検討を行った。 さらに各論の研究として,未成年者の権利保護と忘れられる権利との関係,デジタル遺産と忘れられる権利の関係,また治療履歴と忘れられる権利についてそれぞれ研究も進めていった。 当初の予定通り,比較法研究を進めつつ,判例考察にとどまらず,表現の自由との関係についての理論研究も行っていった。 日本の法制度との関係では,破産者マップ事件が起き,この事件について破産者の忘却の利益の意義について関連する論考の考察を行い,宮下紘「個人情報取扱事業者等の新たな義務」ジュリスト1551号(2020)を公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国際会議等への出席がオンラインになったものの,関連する会議には出席することができ,国際動向をフォローアップすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
日本の個人情報保護法の改正に伴う利用停止・消去の請求の法的性格や関連する裁判例等について分析を行う予定である。また,諸外国における判例研究および理論的考察も併せて進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた国際会議への出席がなくなり,旅費に余剰が生じた。来年度に開催される国際会議への旅費として支出予定である。
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