研究課題
基盤研究(C)
本研究は,忘却の利益について,インターネットがもたらした新たな課題として比較法を手掛かりに我が国の裁判例や立法動向を整理し,法的構成の在り方を検討した。具体的には,破産者マップ事件やTwitter投稿記事削除請求事件等において,忘却の利益が判断枠組みの中で斟酌されうることを研究成果の一部として論文として公表した。
憲法
我が国の法学研究において,インターネットにおける新たな課題としての忘却の利益に関する研究の地平を拓く観点から,アメリカとヨーロッパにおける動向を比較法研究を行い,我が国の裁判例や立法への枠組みを示す端緒となる研究を行った点に学術的意義を見出すことができる。本研究期間中にはインターネットをめぐる誹謗中傷問題が顕在化し,新たな最高裁判断も示される中,判例分析を行うなど一定の社会的意義を有する内容になったものと考えられる。