研究課題/領域番号 |
20K01434
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
井関 涼子 同志社大学, 法学部, 教授 (30278460)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 商標法4条1項7号 / 公序良俗に反する商標登録 |
研究実績の概要 |
商標法4条1項7号の最新状況について、金井重彦ほか編『新版 商標法コンメンタール』(勁草書房2022年2月)に執筆し、刊行された。 本号について、特許庁の商標審査基準ならびに商標審査便覧が大きく改訂されており、最近の裁判例の動向を取り入れ、新たな項目が立てられた。すなわち、本号に該当することを理由に登録を拒絶する商標として、いわゆる剽窃的な出願である、「当該商標の出願の経緯に社会的相当性を欠くものがある等、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ない場合」という類型を新設したのであるが、「出願の経緯」としては、私的な紛争が問題とされることが多く、本号を私的領域にまで拡大して適用することの可否につき裁判例は分かれているが、近年、適用を認める裁判例が見られることを理由として、追加されたものである。学説上は、批判も多いところである。この原稿は、コンメンタールとしての性格上、研究論文ではないが、重要な裁判例や学説を網羅的に紹介し、この論点をめぐる状況を明らかにしている。今後の研究の基礎となる現状分析であるといえる。 本年度においても、他の研究テーマでの重要な執筆活動に割かなければならない時間、労力が大きく、本件研究テーマでの研究実績は、以上にとどまった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
他の研究テーマについての研究が多忙であるため。
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今後の研究の推進方策 |
他の研究テーマの研究が一段落したら、至急に取りかかる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
他の研究テーマの研究が多忙であり、本研究に時間を割くことができなかったため。また、コロナ禍のため、海外渡航による調査も不可能であったため。 翌年度分として請求した助成金と合わせた使用計画としては、2021年度として当初計画していた海外渡航を伴う調査研究は、コロナによる状況に鑑みなお困難であるかもしれないが、裁判例や学説の分析等に使用する予定である。
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