本研究課題は、明治後期から昭和中期において、経済的後発地域である東北地方への国家的開発政策の政治過程を一次資料に基づいて実証的に考察し、後進性を持続させる保守政党支配体制が強固に確立・再編された過程を解明・分析するものであった。具体的には、1957年の東北開発三法の制定過程について、自由民主党優位の戦後政党政治の確立と結びつけて考察したほか、のちに自民党副総裁を務めた政治家椎名悦三郎の動向について、新出資料の整理・調査と並行しながら検討したこと、また1923年の関東大震災後の復興政策や、2011年の東日本大震災後の復興政策について、その前後の東北開発政策との連関を考察する論考を発表した。
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