研究実績の概要 |
引き続き観察データによる因果効果分析を行った。具体的には、米国航空宇宙局と連邦航空局がシャーロットダグラス国際空港に導入した表面計測技術が、燃料とCO2の節約に与える影響を推定した。その際、差分の差分法、共変量バランス改善手法、固定効果モデルを用いた。さらに、比較ユニットを選択する際の研究者の裁量を最小化するデータ駆動型アプローチでデータセットを構築し、マッチングとパラメトリック回帰を組み合わせた二重のロバスト戦略を用いた。その成果は「Fukui, H. and Miyoshi, C. 2024. Estimating tactical surface metering management’s effect on aircraft fuel savings at airport. Research in Transportation Economics 103(101405), 1-23.」として公表された。 同時に、共変量バランス改善手法による因果効果推定バイアス補正の有効性をモンテカルロ・シミュレーションにより検証する作業を継続し、改善を図った。具体的には、生成させるデータ数を500から2500と増やし、検証対象とするマッチング等の方法も拡大することで、有限サンプルバイアスの若干の緩和を図り、マッチング推定値等をより幅広く検証した。その成果は「Fukui, H. 2023. Evaluating Different Covariate Balancing Methods: A Monte Carlo Simulation. Statistics, Politics and Policy 14(2), 205-326.」および「福井秀樹. 2024. 傾向スコアはマッチングに使われるべきではないのか?. 交通学研究 67, 29-36.」として公表された。
|