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2022 年度 実施状況報告書

大部屋主義再考:配席図を用いた行政組織の分析

研究課題

研究課題/領域番号 20K01451
研究機関大阪公立大学

研究代表者

手塚 洋輔  大阪公立大学, 大学院法学研究科, 教授 (60376671)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード行政組織 / 大部屋主義 / 専門家 / 審議会 / 配席図
研究実績の概要

本研究課題では,日本官僚制の特徴として通説的な地位を占める「大部屋主義」について,これが提唱された時期とは行政組織を取り巻く状況が大きく変容していることに注目し,これまで等閑視されてきた,所管課(大部屋)内部の空間配置という観点から実態解明を行う。具体的には,毎年度作成されている配席図データと,各種の組織データや人事データと適宜組み合わせながら分析することにより,大部屋主義の今日的な射程を精密に確定し,ひいてはグループ別人事管理の実態も含めて,日本官僚制の意思決定に関する正確な理解に到達することを目的としている。

コロナ禍の影響により,研究計画を変更して進めていることから,第3年度である2022年度は以下の4点について研究を進め,残る課題については研究期間を延長して対応することとした。第1に,前年度に引き続き,文部科学省のデータの追加及び厚生労働省の配席図データや人事データの収集を継続して行った。なお,空間配置に関しては現在論文を作成しており,次年度に発表できるよう準備している。第2に,DX化など近年進展している業務改革の流れや政策実施研究の動向を成果を踏まえて,教科書(『はじめての行政学』)の改訂を行った。第3に,本研究課題に関連したものとして,前年度に引き続き,コロナ対応に関して,とりわけ,専門家組織の空間的位置に注目した分析を行い,日本公法学会から招聘を受け研究報告を行った。第4に,関連して,組織横断的な政策形成の事例として,審議会の合同設置にかかる論文を学会誌に掲載した。そこでは,共管事務処理に関する設置例が増えていることを指摘するとともに,より実質的な政策調整に活用されるケースとして,食品表示と気候変動対策を例に事例分析を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

これまで,コロナ禍の影響により,東京での資料収集及びインタビュー調査の実施が困難であったことから,研究の順番等を一部入れ換えて進めていくこととしてきた。この点,これまでの成果をとりいれたかたちで,教科書の執筆の他,研究論文や学会報告などにもつなげることができている。本研究課題の中核をなす配席図の研究については,研究期間を延長することにより,最終的な取りまとめに尽力したい。

今後の研究の推進方策

基本的には研究計画に沿った形で,各種データの収集及び分析を進め,最終的な成果のとりまとめを行う。具体的には,研究論文を現在執筆しているので,次年度の中の公表を目指す。

次年度使用額が生じた理由

前年度までの未使用額も含めて,旅費を中心に引き続き未使用の状況にある。一部については,オンライン調査の環境整備等のため,物品費として活用した。残額については,必要な資料調査・インタビュー調査のために,次年度に使用予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 審議会の合同設置による政策調整2022

    • 著者名/発表者名
      手塚洋輔
    • 雑誌名

      公共政策研究

      巻: 22 ページ: 47-58

  • [雑誌論文] 書評 金井利之『コロナ対策禍の国と自治体 : 災害行政の迷走と閉塞』(筑摩書房、2021年)2022

    • 著者名/発表者名
      手塚洋輔
    • 雑誌名

      年報行政研究

      巻: 57 ページ: 161-164

  • [学会発表] 危機対応における政治家・行政官・専門家:専門知の役割と限界2022

    • 著者名/発表者名
      手塚洋輔
    • 学会等名
      日本公法学会第86回総会第2部会
    • 招待講演
  • [図書] はじめての行政学〔新版〕2022

    • 著者名/発表者名
      伊藤 正次、出雲 明子、手塚 洋輔
    • 総ページ数
      278
    • 出版者
      有斐閣
    • ISBN
      9784641150997

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公開日: 2023-12-25  

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