米兵はなぜ裁かれないのかを明らかにするため、米兵がどの程度起訴されているのかを分析した。その上で、米兵に対する起訴率と日本人(米兵以外の外国人を含む)に対する起訴率を比較した。その結果、前者の起訴率は約17%、後者は約44%であることが明らかになった。両者の起訴率に倍以上の開きがある。 なぜこのような起訴率の違いが生じているのか。可能性として、刑事裁判権放棄密約の存在が考えられる。刑事裁判権放棄密約とは、米兵が罪を犯しても、実質的に重要な事件を除き、日本側は米兵を起訴することはないとの日本側の一方的な政策表明である。これが密約であることを論証すると共に、起訴率に与えた影響を検討した。
|