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2020 年度 実施状況報告書

政治的インプットにおける《不》平等が有権者の意識と行動に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 20K01465
研究機関崇城大学

研究代表者

今井 亮佑  崇城大学, 総合教育センター, 教授 (80345248)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード政治的不平等 / 一票の較差 / 無投票
研究実績の概要

本研究課題の1年目である2020年度は、主に次の3点に取り組んだ。
一つ目は、研究の独立変数となるデータの整備である。具体的には、(1)2017年衆院選における各小選挙区の一票の影響力及び一票の価値、(2)直近の都道府県議選において、各市区町村で実際に選挙が行われたか無投票に終わったか、(3)同選挙における各選挙区の一票の影響力及び一票の価値を表すデータを完成させた。このうち(2)のデータを簡単な分析にかけて得られた知見に基づく、道府県議選における無投票選挙区の存在に関するコメントが、熊本日日新聞2021年2月3日付朝刊に掲載された。
二つ目は、2021年度に実施する調査の質問項目の選定である。政治的インプットにおける不平等の問題を扱った先行研究や、Robinson, Shaver, and Wrightsman(1999)のレヴューを通じて、研究の従属変数となる有権者の意識の測定方法を精査した。これにより、調査の全体的な設計がほぼできあがった。
三つ目は、本研究課題自体の実績ではないが、自身が研究分担者を務める研究課題(17H00966)において実施した、14道府県議会の議員を対象とした調査の分析である。一票の重みが重い選挙区選出の議員に比べ軽い選挙区選出の議員の方が、議会での投票に際し「支持者の意見にそって投票すべきである」と考え、また政策過程における自身の影響力は強いと認識している傾向があることを明らかにした。これは、選出選挙区の一票の重みが道府県議の意識に影響を及ぼしていることを示したものであるが、自身の選挙区の一票の重みが有権者の意識に及ぼす影響について検証することを一つの目的としている本研究にとっても、非常に示唆に富む分析結果であると考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

令和2年度交付申請書に記した事項のうち、「調査を委託する会社との折衝」を除き、ほぼ全て実行することができたことから、「おおむね順調に進展している」と評価できるものと考える。

今後の研究の推進方策

コロナ禍により東京への出張がままならず、調査委託会社との折衝を2020年度中に終えることができなかった。今後も見通しが立たないことから、オンライン会議の開催を早急に打診し、詳細を詰めた上で調査の委託を行う。現時点では、2021年8月~9月頃に調査を実施することを想定している。
2022年度に研究成果を公表することを目指して、データを入手次第分析に取り掛かる。

次年度使用額が生じた理由

調査委託会社との折衝及び国立国会図書館での資料収集のために、東京に出張する旅費を計上していたが、コロナ禍により出張できなくなり、「次年度使用額」が生じた。
2021年度についても出張できる見通しが立たないことから、調査実施の費用に回す予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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