本研究の成果は、第1に、2018年のメキシコ大統領選の直前に行われた世論調査の結果をもとに分析を行い、組織犯罪暴力が政党支持のあり方に重要な影響を与えている可能性を示した。第2に、ベラクルス州の事例について、候補者や選挙関係者に対する暴力のデータをもとに分析を行い、ターゲットの党派的偏りと地理的偏りを確認し、当局からの庇護と一帯の地域にガバナンスを広げるための暴力が示唆されることを示した。第3に、女性議員の実質的代表を下院の法案データをもとに明らかにし、「女性に対するジェンダーに基づく政治的暴力」防止のための一連の法改正を事例に、実際の法案審議のプロセスにおける女性議員の役割を明らかにした。
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