研究課題
基盤研究(C)
本研究では、多数派限定優遇式比例代表制に関する三つの問題を検討した。第一に、最も有力な代替案(限定移譲式比例代表制)を考案したうえで、多数派限定優遇式比例代表制のほうが優れていることを論証した。第二に、多数派限定優遇式比例代表制の具体的な制度設計をおこない、複合拘束名簿式を提案した。第三に、多数派限定優遇式比例代表制が日本国憲法に違反しないという憲法判断を示した。以上の研究に基づいて、三本の論文を公表した。
政治理論
日本でも海外でも、政権選択可能な小選挙区制 vs. 民意反映可能な比例代表制というパラダイムが支配的である。しかし、私が論じてきたように、多数派限定優遇式比例代表制は政権選択可能かつ民意反映可能な選挙制度である。その多数派限定優遇式比例代表制に関する諸問題を解決したことで、多数派限定優遇式比例代表制の説得力を高めることができたように思われる。このことは政治学に寄与するだけでなく、日本と世界の選挙制度改革にも寄与するであろう。