研究課題/領域番号 |
20K01483
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
岡本 三彦 東海大学, 政治経済学部, 教授 (50341011)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 政治的意思決定 / 住民参加 |
研究実績の概要 |
本研究は、日本と欧米諸国の基礎的自治体における政治的意思決定への住民参加と政策への影響について比較研究を試みるものである。すなわち、基礎的自治体において住民が住民投票(解職請求に基づくリコール投票を含む)などを通じて政治的意思決定に参加することによって、自治体の政策はどのような影響を受けるのか、また国内外の地方自治体における住民投票などの制度導入の状況、間接民主制を原則とする地方自治体における住民の政治的意思決定参加の意義、住民意思の政策への反映や政策変化について、諸外国との比較を通じて、日本の住民投票、リコール投票の特徴と課題、さらには地方自治の特徴について検討するものである。また、本研究の目的は、日本と欧米諸国の基礎的自治体における政治的意思決定への住民参加と政策への影響について明らかにすることとしている。 そこで、本研究の初年度にあたる2020年度には、基礎的自治体における住民参加に関する先行研究の整理とデータ・資料の収集を行うとともに、調査対象となる国内外の地方自治体の現地調査を実施する予定であった。具体的には、本研究代表者が2010~2011年にアンケート調査を実施した東京都渋谷区、熊本県水俣市、滋賀県大津市、国外ではスイスのチューリヒ市、ドイツのフライブルク市、イギリスのロンドン・ルイシャム区、アメリカのシアトル市などを対象としている。本研究では、これらの国・自治体におけるリコール投票を含む住民投票の位置づけ、主要なアクターである議員や首長の住民投票に対する考えてを明らかにするために、まず、文献等を基にレビューした。また、過去の研究成果を関係自治体での調査協力に生かせるよう、英文に直した。しかしながら、COVID-19(新型コロナウィルス感染症)が影響して、対象自治体での現地調査、資料収集、予定のアンケート調査への協力を依頼については十分な成果が得られなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の初年度にあたる2020年度には、対象とする基礎的自治体における住民参加に関する先行研究の整理とデータ・資料の収集を行うとともに、調査対象となる国内外の地方自治体の現地調査を実施する予定であった。対象自治体における住民投票、リコール投票といった直接民主制的な手法については、文献等を基にある程度レビューするとができた。また、本研究に関する過去の研究成果を英文にするなどの成果は得られた。しかしながら、COVID-19の影響で、対象自治体で現地調査を実施して、資料を収集するとともに、本研究2年目に実施する予定のアンケート調査への協力を依頼することができなかった。そのために現在までの進捗状況としては「やや遅れている」とした。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度は当初の研究計画のとおりに進んでいないことから、2021年度は2020年度の残った部分と2021年度に予定してる部分とを同時に進めていきたいと考えている。ただし、COVID-19は相変わらず予断を許さない状況にあるため、今年度も慎重に計画を進めていきたいと考えている。とくに国内外の出張を伴う現地調査に関しては、現時点では困難であるため、それ以外の研究を推進していきたい。具体的には、これまでの資料やデータから得られた研究成果をさらに精緻化するととに、メールやインターネット等を活用して、研究計画が進むように取り組む。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の研究計画で予定していた国内外の出張を伴う現地調査や資料収集が、COVID-19(新型コロナウィルス感染症)の影響により全くできなかった。そのため、2020年度は物品費以外の支出がなかった。2年目にあたる2021年度は、2020年度にできなかった国内外の出張を実施するとともに、アンケート調査についても実施したいと考えている。ただし、先方とのコミュニケーションが必ずしもスムーズにできない場合があるため、その点に注意していきたいと考えている。
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