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2022 年度 実施状況報告書

丸山眞男を中心とする共同研究「正統と異端」がもつ比較思想史学上の意義の究明

研究課題

研究課題/領域番号 20K01484
研究機関東京女子大学

研究代表者

山辺 春彦  東京女子大学, 現代教養学部, 講師 (70638783)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード正統と異端
研究実績の概要

以下では、本研究の課題として設定した四点に即して、2022年度に行った研究実績の概要をそれぞれ記載する。第一の課題である東京女子大学丸山眞男文庫所蔵の丸山眞男旧蔵「正統と異端」研究会関係資料の調査研究と、第二の課題である同文庫所蔵の石田雄旧蔵「正統と異端」研究会関係資料の整理および調査研究に関しては、2021年度に着手した丸山眞男旧蔵および石田雄旧蔵「正統と異端」研究会関係資料の悉皆調査を継続した。この作業は、資料一点一点について、記載内容や使用されている用紙やインクをもとに作成年代と作成目的を特定するという作業である。次に上記の第一・第二の課題における知見をもとに、「正統と異端」共同研究が全体としてどのような成果をあげたかを明らかにするという第三の課題について研究を進めた。その成果が研究発表「丸山眞男の正統論の射程――国体・国体論・民主主義」であるが、この発表の内容については「現在までの進捗状況」欄で述べる。最後に、丸山文庫に所蔵されている「正統と異端」研究会関係資料のうち、重要なものを活字化して解説を付して公刊するという第四の課題については、「一九八四年七月一三日「正統と異端」研究会記録」の公刊に携わることができた。これは、1984年7月13日に開催された「正統と異端」研究会の未公刊音声記録を文字に起こし、校訂を行い、注を付したものである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

「研究実績の概要」欄に記したように、本研究の課題として設定した四点それぞれについて、2022年度も一定の実績を残すことができた。全体として、第一と第二の課題である資料調査の成果を、第三および第四の課題の進捗につなげることができたと考えている。第三の課題に関しては、2021年度までは1950年代から1960年代にかけての「正統と異端」共同研究の分析に取り組んできたが、2022年度は1980年代の記録を調査し、「正統と異端」共同研究の成果としてまとめられたものの全体像を明らかにするとともに、その含意についての分析を進めた。その成果を、研究発表「丸山眞男の正統論の射程――国体・国体論・民主主義」で報告した。第四の課題についても、重要な学問的価値をもつ「正統と異端」研究会資料を翻刻したことで、それを幅広い利用に供し、今後の研究に資するという成果をあげることができた。以上のように、現在のところ本研究はおおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

本研究の第一と第二の課題については2022年度の作業を継続し、対象資料全体に関する調査を完了する。その上で資料の内容分析を行い、「正統と異端」研究会での議論を再構築していく。以上の作業を通じて、「正統と異端」研究会の成果を明らかにするという目的の達成をめざす。第三の課題については、これまでの研究をふまえ、「正統と異端」共同研究が持つ研究史上の意義を明らかにすることを試みる。第四の課題については、丸山文庫所蔵の「正統と異端」研究会音声記録のうち重要なものを活字化する企画である『丸山眞男集 別集 第5巻 正統と異端2』(岩波書店)の編集を進め、刊行にこぎつけることを目標とする。

次年度使用額が生じた理由

2022年度に購入した物品の単価の関係で、260円の次年度使用額が生じた。これは2023年度に物品購入のために使用する計画である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 一九八四年七月一三日「正統と異端」研究会記録2023

    • 著者名/発表者名
      丸山 眞男,石田 雄,黒沢 文貴,山辺 春彦,金子 元,杉山 亮
    • 雑誌名

      東京女子大学比較文化研究所附置丸山眞男記念比較思想研究センター報告

      巻: 18 ページ: 76~123

  • [学会発表] 丸山眞男の正統論の射程――国体・国体論・民主主義2022

    • 著者名/発表者名
      山辺春彦
    • 学会等名
      北海道大学政治研究会 野村真紀さんメモリアル・レクチャー
    • 招待講演

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公開日: 2023-12-25  

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