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2020 年度 実施状況報告書

千島列島の近現代史:日露協働の歴史叙述に向けて

研究課題

研究課題/領域番号 20K01495
研究機関山形大学

研究代表者

天野 尚樹  山形大学, 人文社会科学部, 准教授 (90647744)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード千島列島 / 北方領土問題 / 日露関係 / ボーダースタディーズ
研究実績の概要

令和2年度は、コロナ禍による移動制限のため、国内外の現地調査にきわめておおきな制約があった。予定していたロシア連邦サハリン州および東京での現地調査はキャンセルせざるを得なかった。したがって、可能なタイミングで実施した北海道での現地調査のほか、公刊史資料の収集・分析を中心におこなった。この点においては大きな進捗があった。とりわけ本研究で購入した4巻本の史資料集、黒岩幸子編『北海道立文書館所蔵 戦後千島関係資料』は現地資料収集をより効率化するうことを可能とした。本資料集の分析はまだ継続中であるが、今後の研究の出発点と方向性を確認するという研究初年度としての目的は概ね達成することができた。
現地調査の困難は意見交換にも本来は大きな制約となるが、オンラインでのコミュニケーションシステムの定着により、むしろ以前よりも活発にできるようになった。令和2年度は、国内の研究協力者、国外の連携研究者との意見交換はもっぱらオンラインでおこなったが、特にロシアの研究者との研究打ち合わせは、事前計画では現地での1回のみであったが、令和2年度内に4回のオンライン研究打ち合わせを実施することができた。
研究成果の発表は英語での口頭発表と書評論文のみであるが、特に口頭発表では、ボーダースタディーズの最新理論に関わる国内外の研究者との議論をおこない、理論的な考察において大きな成果を得た。この口頭発表をもとにした論文を含め、本研究に関わる複数の論文の執筆に時間を費やすことができ、それらはいずれも和3年度中の発表が決定している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コロナ禍の移動制限により、現地調査がおこなえなかったことは大きな制約となったが、既存公刊史資料の整理、およびオンラインを活用した新たな共同研究スタイルの構築により、現地調査の困難さを相当程度補えるだけの進捗状況がみられたと評価できるため。

今後の研究の推進方策

令和3年度も、現地調査が可能となるかどうかは不明で、その点において推進方策においては未確定な面が生じざるを得ない。オンラインでの意見交換をより活発にし、すでに収集済みの史資料の再解読を勧めながら、現在のような状況下でも可能な共同研究のスタイルを模索していきたい。

次年度使用額が生じた理由

ロシアでの現地調査がコロナ禍で実施不可能だったため旅費の使用額が予定より少なくなったため。令和3年度に移動制限に関する状況が改善するかどうかは不透明だが、可能になればロシアでの現地調査をおこない、不可能であれば国内で可能な限りの資料収集につとめたい。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [国際共同研究] Sakhalin State University(ロシア連邦)

    • 国名
      ロシア連邦
    • 外国機関名
      Sakhalin State University
  • [雑誌論文] ニコライ・ヴィシネフスキー著『樺太における日ソ戦争の終結』2020

    • 著者名/発表者名
      天野尚樹
    • 雑誌名

      神奈川大学評論

      巻: 97 ページ: 123-123

  • [学会発表] Exorcising Phantoms: Development of the Border Islands in Northeast Asia2020

    • 著者名/発表者名
      Naoki Amano
    • 学会等名
      Northeast Asia: Pitfalls and Prospects, Past and Present
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2021-12-27  

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