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2021 年度 実施状況報告書

EU・北極域における投資と安全保障:物語的政策分析モデルからのアプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 20K01496
研究機関筑波大学

研究代表者

礪波 亜希  筑波大学, ビジネスサイエンス系, 准教授 (80793760)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード外国投資推進・審査制度 / ナラティブ政策フレームワーク / 欧州 / 北極 / 国際政治経済
研究実績の概要

本研究は、外国投資推進・規制制度がいかなる根拠に基づいて形成され、誰にどのように許容され、結果的にどのような影響を及ぼすのかを学術的問いとする。事例研究を研究手法として、国際関係論・国際政治経済学のコンストラクティビスト・アプローチを参照しつつ、物語的政策枠組み(Narrative Policy Framework, NPF)を活用する。事例研究の対象として、EUを含む欧州諸国の投資推進・規制制度、北極域への投資推進・規制制度を検討する。
2021年度は、EUおよびアイスランドでアンケート調査を実施、英国・ロンドン、ドイツ・ベルリン、米国・アラスカ州を訪問、インタビュー調査やデータ、文書の収集を行い、データの分析に着手することを目標としていた。
現地訪問によるインタビューやアンケート調査については、新型コロナウイルス感染症の拡大のため、実行できなかった。他方、分析対象地域である欧州では、前年度中に大筋合意に至ったEU中国包括的投資協定が頓挫したり、ロシアによるウクライナ侵攻など、申請書を作成した時点では想定していなかった出来事が発生した。2022年度も引き続き、少なくとも前半は外国出張が難しいことが想定されるが、インターネット上で行われる各種会議に参加するなどして関連データを収集し、実証分析を試みる。
2020年度に習得した、物語的分析手法を一部援用して、ソーシャルメディアの分析を行った。結果を関連論文として刊行した。コロナウイルス感染症拡大に関連する緊急事態宣言が発出されるなど、外出が難しい時期ではあったが、学会・研究会で3回の報告を行うことができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本年度は、1) 欧州、北極域諸国の外国投資推進・審査制度に関する文献、およびNPFに関し関連書籍・論文のサーベイを広範的に行う、2) 既存文献、文書、スピーチ、ビデオ、ツイートその他デジタルメディア等の収集、調査を行い、欧州、北極域諸国の投資推進・審査制度の現状分析を行う、3) 東京、欧州(ブリュッセル、パリ)、北極域(アイスランド・レイキャビク)にて主にインタビューに基づく調査を行い、分析対象データを収集することを目標としていた。
文献のサーベイは、大幅に進展させることができ、結果をオンラインで実施された国際ワークショップ等で発表を行うことができた。こうしたイベントでは、これまでの調査研究結果を共有するとともに、文書やスピーチなどデジタルメディアの収集も行った。また、NPFに関する関連書籍を収集・調査し、これらを通じて習得した分析手法を援用し、ソーシャルメディア上で行われるオンラインハラスメントに関する論文を執筆した。
現地訪問によるインタビュー実施については、新型コロナウイルス感染症の拡大のため、実行できなかった。他方、分析対象地域である欧州では、前年度中に大筋合意に至ったEU中国包括的投資協定が頓挫したり、ロシアによるウクライナ侵攻など、申請書を作成した時点では想定していなかった出来事が発生した。
これまでに述べてきた成果や研究実績を勘案すると、2021年度は「やや遅れている。」と考える。

今後の研究の推進方策

本研究の申請時には、2020年度に東京、欧州、北極域でのフィールド調査、2021年度にEUおよびアイスランドでアンケート調査を実施、分析、英国、ドイツ、米国・アラスカ州でのフィールド調査を実施する予定であった。2021年度は、2020年同様、新型コロナウイルス感染症の拡大のため、外国でのフィールド調査が実施できなかった。2022年度は、状況が改善することを望みつつ、万が一外国へ渡航できない可能性を想定し、デジタルデータのさらなる収集と、NPFを含む量的・質的分析手法を混合した「混合研究法(mixed method)」の習得を進める。また、これまでの調査研究結果を基に、国際学会で発表し、本研究に対して外部の研究者からコメントを受け、必要な修正・改善を加える。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症の拡大のため、海外渡航の上での対面によるインタビューや情報収集ができなかったため。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)

  • [国際共同研究] European Policy Centre(ベルギー)

    • 国名
      ベルギー
    • 外国機関名
      European Policy Centre
  • [国際共同研究] ボン大学(ドイツ)

    • 国名
      ドイツ
    • 外国機関名
      ボン大学
  • [国際共同研究] イーストアングリア大学(英国)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      イーストアングリア大学
  • [雑誌論文] Online harassment in Japan: Dissecting the targeting of a female journalist2022

    • 著者名/発表者名
      Tonami Aki、Yoshida Mitsuo、Sano Yukie
    • 雑誌名

      F1000Research

      巻: 10 ページ: 1164~1164

    • DOI

      10.12688/f1000research.74657.2

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] The post-pandemic recovery: EU-Japan connectivity and health in the Indo-Pacific2022

    • 著者名/発表者名
      Aki Tonami
    • 学会等名
      Policy Dialogue: EU&Japan connectivity and pandemic resilience in the Indo-Pacific
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Japan’s Arctic Identities2021

    • 著者名/発表者名
      Aki Tonami
    • 学会等名
      International Studies Association 2021 Virtual Convention RB24: Regional and Global Challenges to Arctic Identities
    • 国際学会
  • [学会発表] 「見えない女性」を可視化する 女性向けSNS「ガールズちゃんねる」の分析を例に2021

    • 著者名/発表者名
      礪波亜希、佐野幸恵、富永京子
    • 学会等名
      日本政治学会2021年度研究大会

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公開日: 2022-12-28  

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