研究実績の概要 |
本研究は、外国投資推進・規制制度がいかなる根拠に基づいて形成され、誰にどのように許容され、結果的にどのような影響を及ぼすのかを学術的問いとする。事例研究を研究手法として、国際関係論・国際政治経済学のコンストラクティビスト・アプローチを参照しつつ、物語的政策枠組み(Narrative Policy Framework, NPF)を活用する。事例研究の対象として、EUを含む欧州諸国の投資推進・規制制度、北極域への投資推進・規制制度を検討する。
新型コロナウイルス感染症パンデミック、ロシアによるウクライナ侵攻、EU中国包括的投資協定など、申請時は全く予期していなかった出来事のため、大幅な方向転換を迫られた研究プロジェクトであった。北極域や欧州など、現地調査とデータ収集を行う計画がほとんど実施することができなかった一方で、文献のサーベイや、デジタルメディアの調査データ収集は、大幅に進展させることができた。また、研究結果をオンライン会議や研究会で発表し、新たな(国際)共同研究に向けて端緒をつかむことができた。
また、パンデミック中の2020年度に習得した分析手法と、新たに構築した研究者ネットワークをつうじて、外出や海外渡航が制限された中でも調査可能であった、ソーシャルメディア及び日本という新たなフィールドを開拓することができた。また、発表論文に基づき、実務家に向けた講演や支援を行い、研究成果の社会還元を精力的に行った。
|