研究課題/領域番号 |
20K01497
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
五十嵐 誠一 千葉大学, 大学院社会科学研究院, 教授 (60350451)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | 東南アジア / メコン / ミクロ地域 / 地域主義 / 地域統合 |
研究実績の概要 |
本研究課題は、現地調査により東南アジアの複数のミクロ地域の実態を明らかにすることを目的としている。コロナ渦による渡航禁止が続いたため、前年度と同様に本年度も渡航ができず、分析対象の実態を依然として把握すことができないままである。このため、関連する一次資料を国内で所蔵する図書館・資料館から取り寄せて精査を行った。加えて、前年度と同様に、膨大な二次資料(学術書と学術論文)を用いて、ミクロ地域主義に関わる理論的アプローチに関する研究を進めた。具体的には、ネオリアリズム、ネオリベラル制度論、コンストラクティビズム、ネオグラムシアニズムに注目し、それぞれの理論アプローチにおいて地域レジームの発生要因がどのように論じられているのかを考察し、理論アプローチの統合の可能性を探った。ネオリアリズムについては、覇権安定論、攻撃的リアリズム、防御的リアリズム、ネオクラシカル・リアリズムに分けて詳細に検証を行った。各理論アプローチが重視する行為体や要因は異なり(国家のみか非国家行為体をも含めるか、物質的要因か非物質的要因か両方か、国際要因のみか国内要因をも含めるか)、統合に向けてはこれらの相違を丁寧に紐解きながら、国家・国益の再検討、国内要因と国際要因との関係の整理、非国家行為体の分析への取り込み方法が課題になることが明らかとなった。この研究成果の一部を2021年12月の平和構想研究会にて報告した。また、研究成果の一部を学術論文として学術雑誌に投稿する準備も進めた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
前年度と同様に、コロナ渦により渡航制限が続き、現地での調査が一度もできなかったため。
|
今後の研究の推進方策 |
2022年度は、徐々に渡航制限が解除されつつあることから、複数回の現地調査を行うことで、研究の遅れを解消する。また、コロナ渦により渡航ができない状況が続く場合には、現地の研究協力者を探し、代替的な調査を行うことも検討する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナ渦が続き、現地調査が一度も実施できなかったため。渡航可能になった場合には現地調査を複数回行うことで次年度使用額を消化する。渡航ができない場合には、謝金としての使用を検討し、現地で代替的な調査を行ってくれる研究協力者を探す。
|