研究課題/領域番号 |
20K01505
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研究機関 | 常葉大学 |
研究代表者 |
崔 慶原 常葉大学, 外国語学部, 准教授 (00637382)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 朝鮮半島の平和体制 / 韓国外交 |
研究実績の概要 |
(1)初年度の作業として先行研究の検討を行い、研究課題に対する問題意識を固めた。「なぜ朝鮮半島をめぐる地域政治の対立がポスト冷戦期に形成されたのか」という研究目的に照らし、先行研究で明らかにされた部分と、さらなる解明が必要な部分を分類した。その中でも、新たな秩序の構築に向けて、各国がどのようにイニシアティブを発揮しようとしたのかにフォーカスを当て、その政策意図と意図しなかった結果が導出されたことについて注意を払うことにした。政策決定者の回顧録やインタビュー、韓国や日本、米国の外交文書をもとに、検討を加える方向性を固めた。 (2)9月には慶應義塾大学東アジア研究所が主催した研究会議で「韓国の均衡外交」について研究報告を行った。地政学、中堅国アイデンティティの観点から、秩序変動期の韓国外交を分析したが、ポスト冷戦期の研究が、今日の現状を理解する上で重要な研究課題であることを改めて認識した。ポスト冷戦期、2000年代、そして2010年代における国際構造の変動を強く意識しながら、今後の研究を進めることになった。 (3)11月には、静岡市障害学習センターと常葉大学が共催した県民講座『文化・歴史・政治を通じた他者理解―日本・ヨーロッパ・東アジアの観点から』で、「東アジアの平和―朝鮮半島平和プロセスを中心に」をテーマに講演を行った。朝鮮半島をめぐる対立の原型が1990年代ポスト冷戦期に形成されたことを取り上げ、2018年以降に起きた朝鮮半島の変動につながる過程を分析することで、本研究の成果を社会に還元することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の感染拡大の影響で海外へ渡航ができず、韓国と米国の外交文書を入手できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
設定した問題意識を解明するために、海外での資料調査が欠かせないが、COVID-19の感染拡大により、引き続き海外への渡航が難しい状況である。感染状況を抑えられるまで、当分は未刊行外交資料だけでなく、回顧録や刊行されている外交文書を入手し研究を進める計画である。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の感染拡大のために、予定していた海外での資料調査を実施できなかった。引き続き感染状況に注意しながら、当分は未刊行資料だけでなく、刊行資料についても調査を進め、購入可能な資料を積極的に入手して研究に取り組む計画である。
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