研究課題/領域番号 |
20K01518
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 早苗 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (30466073)
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研究分担者 |
湯川 拓 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (80728775)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 地域機構 / 域外国 / 支援 / ASEAN / ECOWAS |
研究実績の概要 |
令和2年(2020年)は、課題についてより広く既存研究の見直し作業を実施した。既存研究の潮流は大まかに把握していたが、近年、比較地域機構論に関連する文献が多く発表されているためにアップデートの必要があったこと、また関連分野として、国際機構全般の組織分析などについて論考を参照する必要があったためである。こうした見直し作業をすることによって、具体的にどのような観点から域外アクターの支援に関するデータを集めるかがより明確になると判断した。地域機構に対する域外アクターの支援の形態は、地域機構の安全保障機能に関する制度の構築において域外アクターが関与する制度設計支援、資金面や軍事面の支援を意味する財政・人的支援、域外アクターによる承認や支持、「お墨付き」を得る正統性支援が考えられる。このうち、制度設計支援は多くの論考が注目し分析を進めている側面であるため、この点について文献レビューを集中的に実施した。代表者は、地域機構の諸制度に対する域外アクターの影響について、特に、事務局や内部組織の役割に関する既存研究の問題点を整理し、分析で取り上げるべく変数について検討した。研究分担者は、実証分析に活用できる既存データがあるかなどデータ構築に向けた検討を実施するとともに、研究手法の選定などにも作業の多くを割いた。具体的には、地域機構の設立条約など基幹文書における域外アクターの制度的影響力をみるため、テキスト分析の可能性などを検討した。配分された予算の多くは、PC関連機器やソフトの購入などの研究環境の整備、既存研究レビューのための書籍の購入に使用した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
比較地域機構は近年、急速に業績が蓄積されている分野の一つであり、既存研究レビューの再点検をする必要があった。
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今後の研究の推進方策 |
事例(ECOWASとASEAN)への域外アクターの影響について、共通してEUが重要なアクターとなると考えられるものの、その他の域外アクターをどう選ぶかについてまだ作業途中である。支援形態についても、事実関係の整理を急ぎ進める必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた支出を他の研究費で賄えたことが残高が発生した主な理由である。2021年度は可能であれば、リサーチアシスタントを雇用し、データの収集と整理をお願いしようと考えているため、人件費の支出を見込んでいる。
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