研究課題/領域番号 |
20K01519
|
研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
稲垣 文昭 秋田大学, 国際資源学研究科, 教授 (80468545)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | エネルギーガバナンス / 国際公共財 / コネクティビティ / 電力 / 地域協力 |
研究実績の概要 |
2021度は、前年度に引き続きCOVID19の影響により現地調査が実施できず、メールやZOOMなどを介してのオンラインでのインタビュー、文献調査が主な活動となった。 また、2022年8月のガニー政権崩壊に伴うアフガニスタンにおけるタリバーン復権が、本研究課題の対象である電力供給に及ぼす影響についての調査が必要になった。これは本研究課題開始時に想定していなかった問題であるが、中央アジアの電力網にアフガニスタンを組み込む形で国際社会が支援してきたこともあり、電力管理に大きく影響を及ぼすことである。そこで、特にタリバーン単独政権に対し否定的なタジキスタンの方針についてインタビューにて確認を行った。このインタビューの成果は、中央アジアにおける電力分配を巡る地域協力がアフガニスタンを含む形で形成されつつあることも含めて、2022年度に刊行される書籍や雑誌所収論文として纏めた。 他方で、国際学会第12回アジア国際会議(The 12th International Convention of Asia Scholars)にて研究協力者らとともにPanel"The Future of Japan and Central Eurasia:A New Connectivity Strategy in the Making?" を組み報告を実施、代表者は"Central Eurasia and Japan: Could We Produce New Connectivity?"と題し、日本と中央アジア間で、グリーン・エネルギー資源を中心としたる地域協力の可能性について報告を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID19により、海外渡航が制限されたため、オンラインで実施される国際学会での報告は実施てきたが、現地調査については断念せざるを得なかった。そのため、研究活動がやや遅れることとなった。
|
今後の研究の推進方策 |
2022年度は、海外渡航が可能になってきたこともあり、現地に渡航し2020年度と2021年度に主に実施したレビュー調査上の課題について、関係機関にインタビューを実施する。とくに、タジキスタンは2022年中に、中央アジアの統一電力網であるCAPSへ復帰することを表明しており、CAPS復帰についての他の国との協議プロセスに焦点をあてて調査を進める。また、アフガニスタン情勢を鑑み、中央アジアからアフガニスタンに電力を供給するCASA1000やTAP-500、TUTAPなどについても調査を進める。なお、渡航が難しい場合はオンラインでの調査を1年目と2年目同様に実施する。 また、2021年8月にThe 12th International Convention of Asia Scholarsでの報告内容を修正して、論文投稿を行うとともに、4年目となる2023年度に再度国際学会での報告を行うための準備を進める。
|
次年度使用額が生じた理由 |
海外調査が実施可能になった場合及び京都で開催される国際学会参加旅費を計上していたが、海外渡航が出来ず、国際学会もオンラインでの開催となったことで予定よりも旅費を利用することが少なかった。2022年は、海外渡航が可能となったため、海外渡航の調査費および国内旅費にて利用する予定である。
|