研究課題/領域番号 |
20K01533
|
研究機関 | 明治学院大学 |
研究代表者 |
池本 大輔 明治学院大学, 法学部, 教授 (40510722)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 経済通貨同盟 / ブレグジット / ユーロ危機 / ポピュリズム / リベラル国際秩序 |
研究実績の概要 |
ユーロはギリシャ財政危機を発端として実存的な危機を経験した。経済支援と引き換えに財政赤字の削減など厳格な条件を押しつけられた南欧諸国と、支援を余儀なくされた北欧諸国双方の中でEUに対する不満が強まり。EUは正統性の危機に直面した。本研究は経済通貨同盟の起源やユーロの制度的設計について一次資料を用いた歴史的調査を行うことで、ユーロ危機の原因を理解する上での一助となることを目指している。加えて、イギリスの経済通貨同盟に対する政策を探求することで、ブレグジットの中でエリート層が果たした役割を明らかにするという独自の貢献が期待できる。移民の流入に反発した「グローバル化から取り残された人々」がブレグジットを支持したことで国民投票で離脱派が勝利したと一般的に言われているが、保守党が1990年代以降急速に欧州懐疑主義的な方向に傾斜していった最大の要因は、経済通貨同盟への反発にあった。 当初は、今年度は夏期長期休暇中にロンドンのナショナル・アーカイブとブリュッセルの欧州委員会アーカイブで20日間程度資料収集を行い、同時期にイギリスで行われる国際関係史グループの年次大会で発表を行うことを予定していた。しかしヨーロッパでの新型コロナ感染症流行のため、イギリスやベルギーに長期滞在して新規の資料収集を行うことは得策でないと判断した。そこで2021年度は、オンラインで利用できる資料(主としてイギリスの閣議録)の収集にあたったほか、これまでに収集した資料の中で、本研究の観点から有益な情報を抽出する作業に従事した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナ感染症流行のため、研究の進捗に不可欠な現地での資料収集活動が一切行えなかったため。
|
今後の研究の推進方策 |
新型コロナ感染症流行が収束し、海外のアーカイブで安全に資料収集が行えるような状況になった場合には、研究費申請時点での計画を実行する形で研究を推進する。それが困難な場合、現地でリサーチアシスタントを雇い、資料収集を依頼する選択肢も考えている。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症流行のため、研究の進捗に不可欠な現地での資料収集活動が一切行えなかったため。流行が収束し、海外のアーカイブで安全に資料収集が行えるような状況になった場合には、研究費申請時点での計画を実行する形で研究を推進する。それが困難な場合、現地でリサーチアシスタントを雇い、資料収集を依頼する選択肢も考えている。
|