研究課題
基盤研究(C)
組織における「発言」行為を促進するための組織的意匠や組織形態を理論的に明らかにした。より具体的には、「退出」オプションが「発言」を促進するか否かは「発言」の費用が事後的に回避可能か否かに大きく依存していることを明らかにした。また、従業員のバイアスの大きさが私的情報である場合、異なったバイアスの方向性を持つ従業員を組み合わせた異質的な組織よりも、全員が同じ方向のバイアスを持つ同質的な組織の方が、より効率的に「発言」を引き出すことが可能であることを明らかにした。
ミクロ経済理論
現場で発生した問題や最前線で感じる将来の問題につながる予兆を組織の上層部に伝達することは組織を維持する上で重要である。その重要性にもかかわらず、多くの従業員はこうした「発言」行為に躊躇しているのが現状である。当該研究成果により、組織内における「発言」を促進するための組織的意匠や組織形態の理解が進んだ。このことは、組織の経済学における重要なテーマの理解が進んだだけでなく、現実の組織運営にも重要な示唆をもたらすと考えられる。