人口が可変である場合の社会状態の社会的評価および社会的選択を行う際に,将来時点の人々の人格が観察不可能な場合には,将来の人々の効用のみを情報的基礎として持ち要らざるを得ず,さらには,強匿名性と呼ばれる論理的に最も強い不偏性の公理に従わなければならないことが理論的に明らかにされた,また,強匿名性といくつかの補助的公理の下では,効率性の判定基準として,効用列の下極限以下の変化のみに感応的にならざるを得ないことも示された.これらの諸公理と両立する功利主義基準についても公理的特徴づけが与えられ,ラムゼーモデルに応用した際に最適経路を選出可能であることも示された.
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