ジョセフ・プリーストリーならびにトマス・ベルシャムの著作及びそれに関連する二次文献の検討を実施した。とりわけ両者が18世紀後期イングランドにおいて神学と経済の問題や、経済の原動力となる科学的知識の発見や普及、人的資本の確保のための教育についてどのような考えをもっていたのかについて着目した。その際、非国教徒として著名であった彼らの道徳哲学に関する著作により注目し、それよりも以前に論じられていた様々な論点と関連付けながら検討することとした。その結果、ジョセフ・バトラーやジョサイア・タッカー、ウィリアム・ペイリーといった18世紀前半、中盤、後半のそれぞれに目立った考えを示していた当時のイングランド国教会の指導者たちとの関係から論じた。それらは英語論文として出版された。またそこに含むことのできなかった様々な観点に関する研究論文の執筆や翻訳等の出版に向けての準備を行い、出版の目途をつけた。
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