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2022 年度 実施状況報告書

金融化とネオ・リベラリズムの関係の理論的・政策的・思想的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K01584
研究機関大月短期大学

研究代表者

内藤 敦之  大月短期大学, 経済科, 教授(移行) (40461868)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワードネオ・リベラリズム / ポスト・ケインジアン / 認知資本主義 / MMT / フーコー / 生政治の誕生
研究実績の概要

今年度は昨年度に引き続き、第一に、『生政治の誕生』におけるフーコーのネオ・リベラリズム分析に関して、その特徴を明らかにするだけでなく、その意義を検討した。また、そこで取り上げられているオルド自由主義やフーコーの影響を受けた文献のサーベイも行った。第二に、ネオ・リベラリズムを分析するマクロ的枠組としての認知資本主義に関してさらに検討を加え、日本経済に関して適用し、近年の日本経済の分析を行った。第三に、ネオ・リベラリズムにおける金融化と金融政策に関連して、非伝統的金融政策までを対象としてポスト・ケインジアンの議論を中心に主流派金融政策論の批判と近年の量的緩和政策などについて検討した。第四に、ネオ・リベラリズム的な政策に対抗する政策として、現代貨幣理論(MMT)に関してもその政策面も含め分析した。成果としては、第一に、「『生政治の誕生』におけるネオ・リベラリズムの起源」という論文を発表した。同じ内容を修正した物を進化経済学会とケインズ学会の部会で報告した。第二に、「コロナ禍の日本経済:ポスト・ケインジアンの視点からのマクロ経済分析」という論文を発表した。第三に、「現代貨幣理論の展開」と言う題で信用理論研究学会2022年度春季大会のシンポジウムで報告を行った。第四に、「ポスト・ケインジアンの金融政策論-インフレーション目標政策から非伝統的金融政策までの評価」という報告を進化経済学会2022年度大会において行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

概ね順調に進展している。ネオ・リベラリズムの起源に関しては基本的な文献のサーベイは終了している。また、金融政策や金融化に関しても準備的な作業は終わりつつある。

今後の研究の推進方策

今年度は昨年度に引き続き、文献の検討だけでなく、分析も行い、新たな枠組の構築の準備としたい。具体的には、第一に、ネオ・リベラリズムの思想的な背景に関してさらに検討する。フーコーの『生政治の誕生』における分析の特徴を明らかにした上で、経済思想史における意義を検討し、ネオ・リベラリズムの思想的起源と展開についてサーベイを行う。オルド自由主義だけでなく、新古典派におけるネオ・リベラリズムであるシカゴ学派やオーストリー学派に関しても検討する。特に経済思想史におけるフーコーの分析に関する論文を執筆する予定である。第二に、ネオ・リベラリズムと金融化の関係を分析するために、金融主導型のマクロレジームである認知資本主義論を中心に検討を行う。既にその概要と日本経済への適用可能性に関してはある程度考察したので、より深く検討を行い、日本における特徴に関しても分析していく。第三に、金融化とネオ・リベラリズムの関係を金融政策との関係で分析する。この点に関してはポスト・ケインジアンの文献を参考に既にある程度サーベイを行ったので、さらに検討を加える。また、これまでの検討はインフレーション目標政策などの伝統的な金融政策を中心としていたが、非伝統的な金融政策を含め、批判的検討を行うとともに、マクロレジームにおけるその位置付けに関しても考察する。特にポスト・ケインジアンの支点を中心とした非伝統的金融政策までの批判的検討をテーマとした論文も執筆する予定である。第四に、ネオ・リベラリズム的政策に対抗しうる政策の一つとして、MMTを参照しつつ、財政政策と金融政策についても考察する。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 『生政治の誕生』におけるネオ・リベラリズムの起源2023

    • 著者名/発表者名
      内藤敦之
    • 雑誌名

      大月短大論集

      巻: 第54号 ページ: 23-57

  • [雑誌論文] コロナ禍の日本経済:ポスト・ケインジアンの視点からのマクロ経済分析2022

    • 著者名/発表者名
      内藤敦之
    • 雑誌名

      季刊経済理論

      巻: 第59巻第1号 ページ: 4-13

  • [学会発表] ポスト・ケインジアンの金融政策論-インフレーション目標政策から非伝統的金融政策ま での評価2023

    • 著者名/発表者名
      内藤敦之
    • 学会等名
      第27回進化経済学会大会
  • [学会発表] 現代貨幣理論の展開2022

    • 著者名/発表者名
      内藤敦之
    • 学会等名
      信用理論研究学会2022年度春季大会
    • 招待講演

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公開日: 2023-12-25  

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