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2021 年度 実施状況報告書

データ欠損を伴うパネルデータ分析における推定・検定法の開発と応用

研究課題

研究課題/領域番号 20K01592
研究機関大阪府立大学

研究代表者

鹿野 繁樹  大阪府立大学, 経済学研究科, 准教授 (80382232)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードデータ欠損 / 差分の差分 / 二重頑健推定
研究実績の概要

本研究の第一の目的は、パネルデータ分析において、バイアスの補正を推定すべきかどうかを判断する定式化の検定を開発し、実証分析に応用することである。それと平行して、バイアスの補正をかけた状態で、伝統的な定式化検定をおこなった場合の検定統計量の振る舞いを分析する。第二の目的は、パネルデータ分析における標本選択問題に対し、データ欠損の新しいアプローチによる解決法の開発と応用である。
本年度は南山大学・岸教授とともに、職業教育訓練(vocational education and training、VET)が雇用、就業状態、そして賃金に与える影響を、日本とオーストラリアのデータで比較する分析をおこなった。日本に関しては慶応家計パネル調査(Keio Household Panel Survey、KHPS)、オーストラリアに関してはHousehold, Income and Labor Dynamics in Australia(HILDA)のデータに対し、差分の差分法を適用した。分析の結果、職業訓練効果は日本では主に男性サンプル、オーストラリアでは女性サンプルに対し検出された。また、職業訓練効果が労働者の学歴に依存することもわかった。具体的には、日本では高学歴層、オーストラリアでは低学歴層がVETの影響を強く受ける傾向が見られた。この研究では、日豪の職業九連プログラムの違いから、観測された効果の差異を考察している。この研究成果は、査読付きの学術雑誌で公開済みである。
本年度はまた、上記の研究を踏まえ、差分の差分法、回帰不連続デザインのパラメータ推定における二重頑健推定の研究にとりかかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コロナ禍の影響により、学会や研究会への出席が困難になっている。また、所属大学の感染予防のための封鎖などにより、データ分析の補助員の雇用およびトレーニングが遅れている。

今後の研究の推進方策

差分の差分法、回帰不連続デザインのパラメータ推定における二重頑健推定の研究を進める。二重頑健推定の数学的な証明は完了しており、シミュレーションによる検証、実データへの適用を行う。

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍の影響で、物理的な移動を伴う出張が制限されたため、次年度使用額が生じた。この部分は、次年度の通信費や旅費にあてたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] The employment outcomes of vocational education and training in Australia and Japan2021

    • 著者名/発表者名
      Kishi Tomoko and Kano Shigeki
    • 雑誌名

      Keio Business Review

      巻: 54 ページ: 39-59

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

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公開日: 2022-12-28  

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