研究実績の概要 |
前年度は、介入の平均処置効果及び高次元操作変数分位点回帰を用いた分位点処置効果について、分析しました。今年度は、それが確立されると、あるサブグループが介入に対して異なる効果を示すかどうかを尋ね、そのような異質的処置効果を推定する方法を学んでいきます。そして、「誰が介入されるべきか?」という問題を探ります。
機械学習の手法は、行動介入において、異質的処置効果を柔軟に推定し、最適な政策学習を選択するのに役立ちます。政策学習とは、誰を、それらの特性に基づいて、介入を受ける対象とするかを決定するルールや手法のことです。今年度は、スタンフォードの研究チームAtheyらが開発した一般化されたコウザルフォレスト (Athey, Tibshirani and Wager 2019, "Generalized Random Forests", The Annals of Statistics.) といった機械学習手法を用いて、台湾のEコマ一ス・ショッピングプラットフォ一ムの実験デ一タにおける割引券やリマインダー通知の異質的処置効果を推定しました。また、その結果を活用して、どのユーザーが介入を受けるかを決定しました; cf. Athey and Wager (2021), "Policy Learning with Observational Data", Econometrica. コウザルフォレストは、主に政策効果の不均一性(異質性)を推定し、政策効果の不均一性を説明する重要な変数を導出するためにも使用されます。 この情報は、その後の個人特性変数の観測に基づく最適な政策割り当てに不可欠です。
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