研究実績の概要 |
最終年度、研究代表者と分担者は、日本の働く既婚女性が様々な活動に投じる生活時間の配分と生活満足度の関係を分析した。結果はDiscussion Paper (DP)にまとめた(Hikaru Hasegawa and Kazuhiro Ueda, "Time Allocation and Life Satisfaction of Women in Japan," (日本福祉大学)Discussion Paper Series, DP-2022-01, 1-18.)。 分析には、データとして「消費生活に関するパネル調査」(慶応大学パネルデータ設計・解析センター)を使い、Markov chain Monte Carlo (MCMC)法によって推定した。本研究の特徴は、1) 個人の時間配分と生活満足度の関係を明示的にモデル化し,推測統計学的に評価した、2)モデルを日本の家計の個票データに適用し,個人の時間配分と生活満足度の関係を検証した点にある。 分析の結果、女性の家事時間と生活満足度の負の相関が確認された。また、通勤、仕事などの時間と生活満足度の偏相関係数の符号から、推定モデルの有効性が示された。 研究代表者と分担者は研究期間を通じて、H. Hasegawa and K. Ueda, (2022) "Empirical analysis of a time-use model incorporating correlations among three household members," Behaviormetrika, 49(1), 69-89、と上記DPに成果をまとめた。これらによって、家計構成員の活動時間と子どもの有無や他の家族の行動時間などとの関り、働く既婚女性の生活時間と属性との関係や生活満足度との関係など、家族の同一行動時間に関する分析成果を示すことができた。
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備考 |
Hikaru Hasegawa and Kazuhiro Ueda, "Time Allocation and Life Satisfaction of Women in Japan," (日本福祉大学)Discussion Paper Series, DP-2022-01, 1-18.
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