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2021 年度 実施状況報告書

Impact Evaluation of Protected Area Management Policy on Household Welfare in Nepal

研究課題

研究課題/領域番号 20K01601
研究機関北海道大学

研究代表者

Pandit Ram  北海道大学, 農学研究院, 招へい教員 (00865355)

研究分担者 齋藤 陽子  北海道大学, 農学研究院, 講師 (30520796)
近藤 巧  北海道大学, 農学研究院, 教授 (40178413)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードNepal / impact of COVID-19 / agricultural sector / soil fertility / 土地管理 / 持続可能性
研究実績の概要

最初の論文では、ネパールの農業形態、移民パターン、COVID-19が農業部門全体に与える影響について批判的に検討しました。 その上で、ネパールの農業セクターの成長を再構築し、活性化させるための主要な道筋と優先すべき事項を示した。生産、サプライチェーン、フードシステム全体を回復させるため、生産規模に応じた対策の必要性を示した。特に、まず、パンデミックの影響を受けた農家世帯に優先的に介入し、彼らの生産力と競争力を支援する必要がある。次に、農業インフラの整備や制度(ただし近年新たに設立された連邦制下の地方政府の強化を含む)的な革新など、長期的な戦略も必要であることを示した。

ふたつめの論文では、社会経済的・制度的要因と持続可能な土地管理が、零細農家の土壌肥沃度に与える影響を検討した。本研究では、ネパールのマホッタリ地区で2002年と2018年に収集したデータを使用した。2018年には、2002年に収集した土壌調査データを補完するため、184の零細農家を対象とした家計調査も実施した。計量経済学的分析に基づき、調査対象農場では、土壌有機物(SOM)が平均約0.2%、リン(P)が97kg/ha、カリウム(K)が4kg/ha、土壌pHが0.5上昇したことが分かった。さらに,改良普及指導と政府支援(苗木の無償提供)は土壌肥沃度の変化にプラスの影響を与えたが,協同組合への加入は土壌肥沃度の変化にマイナスの影響を示した。休耕地利用は土壌肥沃度を改善したが,家畜を使った慣行的な農法は必ずしも改善を示さなかった。アグロフォレストリーの導入は、PとKの変化に正の影響を与え、SOMの変化に負の影響を与えた。本研究は、零細農家における土壌肥沃度の改善には、制度的特性と持続可能な土地管理手法の導入が重要であることを示した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定していた研究課題は、現地調査によるデータ収集を予定していたが、ネパールの感染状況と海外からの人流受け入れが停止したこともあり、研究開始後2年間、現地調査を実施できていない。しかし、論文レビューや過去の収集データ、政府統計などの二次データを使いながら、現状把握は継続している。

今後の研究の推進方策

ネパール政府の水際対策が緩和されたため、来年度は現地調査を実施できる見込み。

次年度使用額が生じた理由

予定していた現地調査が延期となったため、次年度使用額とした。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件)

  • [雑誌論文] Pathways for building resilience to COVID-19 pandemic and revitalizing the Nepalese agriculture sector2021

    • 著者名/発表者名
      Thapa Magar Dinesh Babu、Pun Sirish、Pandit Ram、Rola-Rubzen Maria Fay
    • 雑誌名

      Agricultural Systems

      巻: 187 ページ: 103022~103022

    • DOI

      10.1016/j.agsy.2020.103022

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Effect of socioeconomic and institutional factors and sustainable land management practices on soil fertility in smallholder farms in the Mahottari District, Nepal2021

    • 著者名/発表者名
      Chaudhary Ashok Kumar、Pandit Ram、Burton Michael
    • 雑誌名

      Land Degradation and Development

      巻: 33 ページ: 269~281

    • DOI

      10.1002/ldr.4143

    • 査読あり / 国際共著

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公開日: 2022-12-28  

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