• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実施状況報告書

都市集積における地域文化と労働力の多様性の持続可能性:空間経済学的分析

研究課題

研究課題/領域番号 20K01616
研究機関亜細亜大学

研究代表者

猪原 龍介  亜細亜大学, 経済学部, 准教授 (20404808)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード労働力の異質性
研究実績の概要

本研究の目的は、グローバル化に伴い都市集積が拡大する中でどのように地域文化やそれに基づく労働力の多様性が形成されるかについて分析を行うことである。労働者は各の生まれ育つ地域文化の独自性に応じて差別化されるものとし、労働力の多様性に基づく集積の経済を通して都市集積が形成される。しかし都市集積はその長期的な負の側面として、次の2つの意味で労働者の均質化を促す。(ⅰ) 地域間労働移動が地域文化を同質化させることで、各地域の出身労働者間の質的な均質化をもたらす。(ⅱ)多くの労働者が都市部出身となることで、労働者の出身比率が偏るという意味での数的な均質化を引き起こす。以上を踏まえ、本研究では地域文化が地域間労働移動に関連して生成される多期間モデルを構築し、そこで得られる労働力の多様性と都市集積の効率性について分析を行うこととしている。
2020年度は、Ihara, R. "Heterogeneous labor and agglomeration over generations," Regional Science and Urban Economics Vol.77, pp.367-381(2018)など猪原がこれまでに進めてきた研究を発展させる形で、労働力の多様性が存在するときに生産性を向上させることを表す生産関数を一般化して、代替の弾力性の違いが地域構造に与える影響について分析を進めた。2地域非重複世代モデルを用いて分析した結果、労働力の出身地に関する代替の弾力性が小さく、つまり地域文化が同質的でない場合において、労働力の都市への集中化が進む場合と、分散化が進む場合の2種類のケースが存在することが計算結果から示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コロナのパンデミックにより、学会活動などに若干の影響が出ているが、研究はおおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

2020年度の研究で示された数値計算結果について理論的な分析を進める。また、地域文化の差別化の程度が地域間移住者の比率に依存して決まってくるとした上で、労働力の代替性を内生化した分析にも取り組む予定である。

次年度使用額が生じた理由

年度末に行った調査費用の支払いが翌月にずれ込んだため。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 空間経済学に基づくストロー効果の発生条件とその影響―明石海峡大橋を事例として2020

    • 著者名/発表者名
      森田学・猪原龍介・中村良平
    • 雑誌名

      日本経済研究

      巻: 78 ページ: 84-107

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi