研究課題/領域番号 |
20K01624
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
木下 信 龍谷大学, 経済学部, 准教授 (60396265)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | エネルギーリテラシー |
研究実績の概要 |
個人のエネルギーリテラシー、つまりエネルギーに関する知識や日常生活での省エネ行動が省エネ住宅、とりわけ太陽光パネルを設置するZEH(ゼッチ)と呼ばれる省エネ住宅の選択行動にどのように影響するかをアンケート調査により得られたデータに基づき実証分析した。昨年度は実際には購入しておらず、仮想的な省エネ住宅に対する選択実験や支払い意思額を計測する表明選好により、個人の省エネ住宅への選好を計測したが、今年度は実際に購入したかどうかに関する顕示選好を実施した。5年以内に住宅を購入した個人に対してアンケートを実施した。表明選好と結果は異なり、再生可能エネルギーに関する知識があることは、ZEH型省エネ住宅の選択につながることが分かった。表明選好による分析結果をまとめた論文は、2023年9月に日本経済学会秋季大会で、英語版を11月に日本経済政策学会国際会議で発表した。2024年5月現在ジャーナルに投稿済みであり、査読結果を待っている状態である。顕示選好による結果をまとめた論文は2024年度中に学会報告、ジャーナルへの投稿を予定している。 その他、以前執筆した論文のジャーナル掲載が決まった。 Shin Kinoshita “The effects of individual ethical awareness on energy choices through a choice experiment in Japan” (Environment, Development and Sustainability 2024年掲載予定)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は予定通り、論文を執筆し、学会報告、国際ジャーナルへ投稿することができたため。以前執筆した論文も査読付き国際ジャーナルへの掲載が決まった。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、エネルギーリテラシーが省エネ住宅や再生エネルギーを始めとするエネルギー源の選好に与える影響を分析する。個人が持つエネルギーリテラシーや情報の役割は選択行動を分析する上で重要な役割を果たすと考えている。原子力、再生可能エネルギーなどエネルギー構成に対する評価の計測にも応用範囲を広げる予定で考えている。科研費を利用してマイボイスなど調査会社にアンケートを依頼する。
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次年度使用額が生じた理由 |
科研費の初年度はコロナ対応で授業準備に追われたため研究にあまり時間が取れず、学会もオンラインで実施されたため、出張旅費が消化できなかった。そのため次年度に使用が生じることとなった。2024年度もいくつかアンケート調査を実施する。
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