| 研究課題/領域番号 |
20K01646
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| 研究機関 | 関西大学 |
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研究代表者 |
高内 一宏 関西大学, 商学部, 准教授 (00609696)
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| 研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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| キーワード | プロセス・イノベーション / 輸送費用 / 生産の垂直構造 / 新製品導入・開発 / プロダクト・イノベーション / 川上の投資 |
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| 研究実績の概要 |
本研究の２つの柱は、（１）「イノベーション（研究開発）と貿易費用の関係」、ならびに、（２）「イノベーションに対して輸送価格などの貿易費用が与える影響」を理論的に解明して、従来の議論を発展させながら、今まで以上の政策的含意を得ることである。今年度は、（１）に関する論文「Endogenous transport price, R&D spillovers, and trade」が国際経済学や国際関係論の分野における海外の英文査読誌「The World Economy」に受理された。この論文は、輸送部門の競争（ないしは輸送価格の決定）と輸出企業の研究開発（R&D）投資の関係を、2国からなる寡占モデルを用いて、垂直的な生産構造において検討したものである。この研究では、研究開発のスピルオーバーの程度に応じて、輸送部門の競争促進による輸送価格の低下によって、輸出企業の研究開発投資が減少したり、消費者の暮らし向き（厚生水準）が低下したりする場合があることを明らかにしている。つまり、この研究は、輸送部門の競争促進が研究開発や消費者の厚生にとって望ましくない場合を明確に特定しており、健全な競争を維持・促進するための競争政策にとって、新たな知見を与えるものであると言える。
さらに、（２）と関係した発展的な話題として、代表的なプロダクト・イノベーションである新製品開発・導入に関する研究も進め、論文の形にまとめ、最終的にディスカッション・ペーパーとして登録することができた。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の柱の一つに関する主要論文が、定評のある海外の英文査読誌「The World Economy」に受理された。また、発展的な話題に関する研究も進展しており、「川下の新製品開発・導入および川上の費用削減投資」に関する研究を論文の形にまとめることができた。この研究は、その後、学会でも発表している。そのため、当該年度は、研究が順調に進展しているといえる。
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| 今後の研究の推進方策 |
これまでに論文にまとめた研究は、定評のある海外の学術専門誌に投稿して受理・掲載を目指す予定である。また、本研究と関連した発展的な話題として、「垂直構造における企業行動」に関する研究がある。この発展的な話題に関する研究も推進し、論文の形にまとめ、学会報告を行いながら、定評ある海外の学術専門誌への投稿を行う予定である。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた英文校正の金額が、想定していた金額より安かったため、その差額分が次年度使用額となった。英文校正の金額は、予定より高くなる場合も十分にありうる。そのため、英文校正の金額が当初予定額よりも高くなった場合に備えて使用する予定である。
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