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2020 年度 実施状況報告書

都市公共政策によるジェントリフィケーションの誘発分岐点と社会的公正の計量分析

研究課題

研究課題/領域番号 20K01653
研究機関京都大学

研究代表者

大庭 哲治  京都大学, 経営管理研究部, 准教授 (80464197)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードジェントリフィケーション / 都市公共政策 / 誘発分岐点 / 社会的公正 / 空間的異質性
研究実績の概要

2020年度は,以下の2つの研究内容について取り組んだ.
A) 歴史地区登録とジェントリフィケーションの実態把握及び分析データセットの構築
日本の対象都市における歴史地区登録制度のこれまでの指定状況に加えて,不動産データ,敷地境界データ,さらには,家計所得データ ,その他の社会・経済統計データや住宅・土地利用データの収集を通じて,ジェントリフィケーションの実態を把握した.特に,町丁目単位での時系列の平均家計所得データ(または,年収階級別世帯推計データなど)を新たに収集・整理した.その上で,地理的空間データを基盤とした分析データセットを構築した.
B) ジェントリフィケーションの因果的誘発と社会的公正に関する分析手法の開発
都市公共政策による外生的なインパクトの前後でのジェントリフィケ ーションの誘発・発現状況について,空間差分の差分推定法(Spatial difference-in-differences analysis )や空間パネルデータ分析(Spatial panel data analysis)といった,空間計量経済学の最新の学術的知見を援用することで計量的に解明するための分析手法を検討した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

研究対象国である米国に関しては,コロナ禍の影響ため,渡米して,現地での調査や管轄する州・市の担当部署への訪問が適わず,データ収集・整備にやや遅れがみられる.今後の状況を見ながら,リカバリーしたいと考えている.

今後の研究の推進方策

本研究は,2021年度に2020年度の遅れを取り戻すとともに,以下の研究内容について取り組む予定である.
C)米国・日本の複数都市を対象とした実証分析による望ましい政策設計の提案
分析データセットを考案した分析手法に適用することで,米国と日本の複数都市を対象に,日本は町丁目で,米国はBlock GroupあるいはCensus Tractの小地域単位で精緻に実証分析を行う.これにより,ジェントリフィケーションの誘発・発現のメカニズムと空間的異質性を明らかにするとともに,社会的公正に配慮した望ましい政策設計を提案するための定量的指針を提示する.

次年度使用額が生じた理由

コロナ禍により,米国での現地調査等の実施が適わなず,研究費の使用計画をやや変更したため,次年度使用額が生じた.2021年度は,コロナの状況を踏まえつつ,2021年度の助成金と合わせて,適正に使用する予定である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)

  • [国際共同研究] インディアナ大学-パデュー大学インディアナポリス校(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      インディアナ大学-パデュー大学インディアナポリス校
  • [雑誌論文] The Price of Preserving Neighborhoods: The Unequal Impacts of Historic District Designation2020

    • 著者名/発表者名
      Tetsuharu Oba and Douglas S. Noonan
    • 雑誌名

      Economic Development Quarterly

      巻: 34(4) ページ: 343-355

    • DOI

      10.1177/0891242420941932

    • 査読あり / 国際共著

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公開日: 2021-12-27  

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