研究課題/領域番号 |
20K01658
|
研究機関 | 北九州市立大学 |
研究代表者 |
奥山 恭英 北九州市立大学, 国際教育交流センター, 教授 (00454215)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 地域経済分析 / 産業連関分析 / 災害影響分析 / リスク評価 / 地域科学 |
研究実績の概要 |
本年度は当初の計画では、フィリピン研究者(De La Salle University;Professor Krista D. Yu)と共同してフィリピン地域間産業連関表の構築・改良のためのデータ収集・分析のための研究打ち合わせ、さらにセミナー開催をフィリピン(マニラ)で行うため1から2回のフィリピン滞在を行う予定であった。しかしながら新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大により海外渡航が不可能になるとともに両国内の感染拡大も深刻であるため、地域間産業連関表のためのデータ収集は主にインターネットを通じて行えるもののみとなった。このためフィリピン研究者はフィリピン国内のデータ、本研究の研究代表者は比較研究にもちいる日本側のデータ(特に国内における地域産業連関表)の収集・データベース構築を主に行った。これと同時に最近の当該分野における研究論文収集や関連理論構築のための図書購入などを行い、フィリピン研究者とはインターネットを通じたディスカッションを行った。これらの活動を通じて、共同論文執筆の計画(実務者向けの災害影響分析;最先端の分析モデルのレビュー論文;産業構造分析の新しい手法の開発とそのケーススタディ)を討議し各々の分担を決め作業を始めている。フィリピンにおける実務者向けのセミナー等開催に関しては2年度目以降に持ち越しとした。 研究代表者は日本側分析の速報を中心に国際学会大会(国際地域科学学会北米大会;2020年11月オンライン開催)での研究報告を行った。 また、本研究の過程で得た知見をその一部に反映した論文をEuropean Union Joint Research Centreの報告書の1章として発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症拡大により、フィリピン研究者との交流がインターネットを通じてのもの(メールやビデオ会議等)のみとなり、この点が大きく研究進捗に影響している。計画していた各年度1から2回のフィリピン滞在(データ収集;研究打ち合わせ;セミナー開催等)が行えず、旅費等の予算消化が滞った。研究打ち合わせ等に関してはインターネットを通じたオンライン打ち合わせを用いており、研究内容や進め方の議論は定期的に行えている。 同時にデータ収集は予定よりは若干遅れているが進んでおり、今後の分析へ向けてスピードを上げていく予定である。 研究論文の執筆を前倒しし、さらに1から2編ほど増やす事も計画しており初年度目の遅れを取り戻すよう予定している。
|
今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の拡大が両国において今年度に入ってからも衰えておらず、当初の研究計画に含まれる各年度1から2回のフィリピン滞在(研究打ち合わせ;データ収集;現地でのセミナー開催等)は今年度も困難ではないかと予想される。 このため、インターネットを通じた研究打ち合わせを行うとともに、フィリピン地域間産業連関表の構築・改良については現状で入手可能なデータのみを用いて行う様に考えており、もし来年度にフィリピン滞在が可能となり地方データ入手が可能となった場合は、それを用いて地域間産業連関表を更新・改訂するように考えている。 国際学会での本研究の成果の発表は今年度も数回計画しているが、概ねオンライン参加となる見通しである。 論文執筆も順次進めており、本年度には数本の論文を国際学術雑誌等に投稿する計画である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の拡大により、当初研究計画にて予定していた各年度1から2回のフィリピン滞在(データ収集;研究打ち合わせ;セミナー開催等)が行えず、このため旅費の消化が滞ったことにより次年度使用額が生じた。 新型コロナウイルス感染症に関わる今後の状況(日本及びフィリピン国内)に大きく依存するが、本年度内の渡航が可能ならば渡航回数を増やすないしは滞在期間を延ばすことにより研究計画の進捗および予算の消化を図る予定である。もし今年度も渡航が困難であれば来年度に持ち越しとなるが、予算項目を変更(物品費や人件費等への付け替え)することなども考慮することが必要かもしれない。
|