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2022 年度 実施状況報告書

期待指標と所得のマクロ経済分析

研究課題

研究課題/領域番号 20K01667
研究機関京都産業大学

研究代表者

寺井 晃  京都産業大学, 経済学部, 教授 (20387989)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード経済政策 / 経済事情 / 経済理論 / 経済統計学 / 期待インフレ率 / マクロ経済学
研究実績の概要

令和4年度は,期待インフレ率を織り込んだ物価指数の開発に取り組んだ.よく使われる物価指数は静学的な支出を想定するが,一般的に家計は時間を通じた動学的な支出を考える.また,「物価指数」は物価を通じた経済の変動を表すが,その背景には一定の水準の生活を営むために必要な「生計費」を算出することでもある.静学的な物価指数では,この「生計」は時間を通じたものではなく,その場1期間のみの消費を表すものとなる.時間を通じた動学的・長期的な支出を考慮した物価指数の方が現実的であり,物価の動向をより正確に知ることができる.
しかし,先行研究で開発された動学的な物価指数(Dynamic Price Index)は,時間を通じて利用可能な耐久消費財,将来支出の原資であろう資産価格を考慮するものとなっている.この場合,「現在」に比べて「将来」の比重が非常に大きくなり,動学的物価指数は資産価格指数を表すことになりかねない.
そこで本研究では,家計の動学的行動を考えつつ,時間を通じた物価指数の開発を考えたものである.ここで利用するのは期待インフレ率である.期待インフレ率は将来を考慮するという時間変動を前提にした指数であり,期待インフレ率を利用することで動学的な支出を考慮した物価指数となる.また,家計の動学的行動は,オイラー方程式に示されるように,2期間の消費関係で表すことができる.この2期間の関係に期待インフレ率を導入することにより,家計の動学的支出を考慮に入れつつ,「資産価格」に依存することなく,新たな物価指数を示すものとなっている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルスの流行と,緊急事態宣言・まん延防止等重点措置の発出,自治体による注意喚起,不要不急の移動の自粛により,各地の図書館等への移動ができず,期待インフレ率に関するデータ・資料の収集を行うことができなかった.

今後の研究の推進方策

令和4年度の遅延について,当初の予定に追いつくように研究推進をする.令和4年度中に出張する予定だった資料収集を行う.乱数を用いたシミュレーション分析を行う予定だったが,より効率的にPCを利用できるようソフトウェアを確保し,遅れの回復を図る.

次年度使用額が生じた理由

次年度使用が生じた理由:新型コロナウイルスの流行に伴い,旅費を支出しなくなったことによる.
使用計画:改めて国内研究機関への出張や海外調査をアレンジし,当初の旅費を繰り下げて使用する予定である

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公開日: 2023-12-25  

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