研究実績の概要 |
本年度は主に以下の3点の研究を行った。 (1)2国・2財・2生産要素の新古典派開放経済において、労働者が他国の賃金率に関して「不確実性」を抱きながら、国際的な移住選択を行う理論モデルを構築し、交易条件や経済厚生に及ぼす影響を解析的に明らかにした。本論文を2022年11月12日に大阪大学「資産価格研究会」にて報告し、コメントに基づいて論文の改訂を行った。今後は論文は完成させ、英語校正を経た後に、国際学術雑誌への投稿を行う予定である。 (2)Izhakian (2017)の手法を用いて、所得に関する各国の「不確実性(確率分布のゆらぎ)」を現実のデータから抽出し、その国際間での差が各国の移民の純流入の変化に統計的に有意な影響を与えているかを検証した。本論文について、研究会を通じて他大学の研究者から有益なコメントを頂いたため、現在論文を改訂している。今後は論文は完成させ、英語校正を経た後に、国際学術雑誌への投稿を行う予定である。 (3)上記(1)の理論モデルからアイデアを得た下記2本の論文をWorking paperとして公表し、学会や研究会で報告した。現在は国際学術雑誌への投稿を行っている最中である。 ・Momoda, Shohei, Takayuki Ogawa, and Ryosuke Shimizu (2022) "International Spillover Effects on Automation," SSRN Working Paper. ・Ogawa, Takayuki, and Ryosuke Shimizu (2022) "Automation and Unemployment in a Fair-Wage Model," 青山学院大学 経済学部 経済研究所 ワーキングペーパー.
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